コラム

相次ぐ変異株の登場や抗体値の低下などにより、ワクチンによる集団免疫の実現はどうやら難しいようです。コロナとの共存――ウイズ・コロナの時代をなるべく安全に生きるためには重症化リスクを引き下げる工夫が欠かせません。

なにに気をつけ、どう暮らせばよいのか? 厚生労働省が発表したリスク因子の分析をもとに考えてみました。

■腎不全34倍 COPD25倍 既往症で死亡率大幅増

厚生労働省では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者状況等を把握し、データを一元管理するため、「HER-SYS(ハーシス)」と呼ばれる情報システムを運用しています。

同システムに集められた情報をもとにさまざまな解析を行う中、既往症等のリスク因子と死亡率に関するデータをこのほど発表しました。解析の対象となったのは2021年4~6月に発症した感染者32万人です。

慢性腎臓病や糖尿病、喫煙等9つの因子について、それぞれがあることで、死亡率がどの程度上昇するかを調べたところ、COVID-19感染による死亡と、非常に強い因果関係があることがわかりました。

解析の対象となったリスク因子を1つも持っていない人が死亡する割合は0.41%にとどまります。一方、表で示されている通り、慢性腎臓病を持つ人の死亡率は14.0%となっています。リスク因子がない人の34倍も高いのです。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者も同じく死亡率が10.2%もあり、COVID-19に感染した場合の死亡率はリスク因子がない人の25倍にのぼります。

COVID-19は高齢者の重症化率や死亡率が高いと言われますが、90~99歳の人が感染した場合の死亡率は9.97%です。慢性腎臓病や慢性閉塞性肺疾患の患者の方が死亡率が高いことが、今回の発表で判明しました。

■ウイズ・コロナで未病が死病に

慢性疾患の多くは即、命に関わるわけではありません。症状を自覚しないことすら多く、放置すれば大きな病気につながるケースも少なくありませんが、大半は病気だと認識されていません。

そのため、「未病」に分類されることも少なくありません。「未病」とは、その名の通り、「健康バランスを崩しつつあるものの、未だ病気ではない状態」を言います。

健康が大きく損なわれた状態ではないので、問題に気づいて生活を改善するなどの対応をすれば、医療機関の世話になることなく、心身の健康を取り戻せます。

ウイズコロナの時代に、そんな常識は通用しません。たとえば、糖尿病と診断されても、多臓器不全や下肢の壊死といった大きな病気につながり、命が脅かされるまでには通常、数年の猶予があります。

ところが、糖尿病の人がCOVID-19に感染した場合の死亡率は4.76%もあります。20人に1人は数日の間に命を落としてしまうのです。

自身や家族の命を守るためには、これまで致命的ではなかった「未病」が、すぐに生命の危険に結びつく「死病」と化してしまったことをこれからは理解しておく必要があります。

■未病予防には日常生活の改善が必須

未病の多くは生活習慣の鏡と言えます。暴飲暴食を続け、睡眠と運動が不足する状態が続けば、心身の健康が少しずつ悪化するのは誰もが理解する常識でしょう。

その反対に、健康によい生活習慣を維持すれば、ほとんどの未病は予防できます。

栄養バランスのとれた食事を適切な量とる。

質のよい睡眠を十分にとる。

適度な運動を習慣づける。

こういった、ごく当たり前の生活習慣を続けるだけで、心身が未病の状態に陥るのを防げるのです。

現在、高血糖や高血圧などと診断されている人も、極端に心配する必要はありません。生活習慣を改善すれば、少しずつ未病の状態を脱して、心身の健康を取り戻せます。

非常に地道な取り組みですが、継続できれば、「死病」のリスクを大幅に低下できるので、ウイズ・コロナの時代にはより必要性が高い努力と言えます。

■まとめ

未病予防の基本はこの記事で解説した通り、食事、睡眠、運動という健康習慣にあります。この3つが健康のベースであることは間違いありませんが、水素の摂取にも大きな可能性が期待されます。

酸化や糖化など人の細胞を損なうリスクを軽減できるため、ウイズ・コロナの時代を健康に生き抜くためには、非常に有効性が高い選択肢の一つです。

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