コラム

最近、周りで「なんとなく暗い気持ちが続いている」「憂鬱で仕方がない」という声をよく耳にするようになりました。新型コロナウイルス感染症の広がりが大きな要因となっているようですが、放置すると思わぬ問題につながることもあるので、注意が必要です。

「コロナうつ」に悩む人が急増している

新型コロナウイルス感染症に関連して、気分が優れないと感じる人が増えているのはどうやら私の周りだけではないらしく、「PRESIDENT Online」に掲載された記事にも、「コロナ感染に対する不安を訴える患者が急増している」という精神科医の声が紹介されています。

東日本大震災の時にもなかったこと、と言いますから、多くの人が受けている精神的なダメージの大きさがうかがえます。

新型コロナウイルス感染症の広がりは多くの人に対して、広範で深刻な問題をもたらしています。「いつ感染するかわからない」「有効な治療法がない」といった病気そのものに対する不安に加え、「自粛要請で外出できない」「仕事を失ったり収入が減ったりするかもしれない」といった暮らしへの影響も多大です。

人により状況や感じ方は異なりますが、過剰なストレスにより、いわゆる「うつ状態」に陥る人が増えているのです。

ストレスを解消できなければ「うつ病」に

「うつ状態」という言葉から多くの人が連想するのは「うつ病」でしょう。実際にはストレスにより気分が落ち込んだからといって、簡単に「うつ病」を発症するわけではありません。

たいていの人が新型コロナウイルス感染症に対する不安から陥っているのは「抑うつ気分」だと思われます。「うつ病」と「抑うつ気分」の線引きは難しいのですが、多くの場合、気分の落ち込みが一時的であれば「抑うつ」、その状態が一定以上長く続き、気晴らしになりそうなことをしても回復できないなどの状態に陥ると、「うつ病」と診断されます。

診断には国際的な診断基準である「DSM-5」(精神疾患の診断・統計マニュアル)や「ICD‐10」(精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン)が用いられます。

「うつ病」は心の病気だと思われがちですが、脳という臓器の病気でもあります。脳の中でさまざまな情報を伝達するために分泌されているセロトニンやドパミン、ノルアドレナリンなどの物質のバランスが崩れることで、精神的な問題を抱えるようになってしまうのです。

さまざまなことが原因になりますが、中でもストレスによる脳機能の変調は主な要因の一つと考えられています。ストレスを解消できず、気分が落ち込む「抑うつ状態」が続くと、「うつ病」を発症するリスクが高まる、と言えます。

積極的なストレス軽減の工夫を

ストレスが原因であれば、軽減につながる工夫をしたいところです。ところが、新型コロナウイルス感染症には「人と接触すると感染が広がる」という問題があるので、「美味しいものを食べに行く」「買い物をする」「親しい人とお酒を飲む」といった楽しみができません。

「実家の両親が心配だから帰省する」ということすらできない人も多く、ストレスを解消できないことがさらにストレスを増大させる要因になっています。ですから、生活を制限されている中で、ストレスの軽減につながるやり方をそれぞれが考える必要があります。

いろいろなやり方があると思いますが、私が一つのカギだと考えるのはITの利用です。仕事についてはすでに、テレビ会議システムを用いるケースが増えています。友人や家族との間でも、このシステムを利用すれば、顔を見たり気配を感じたりしながらコミュニケーションをとることができます。

20代~30代ではテレビ電話システムでコミュニケーションをとりながらそれぞれが自宅でお酒を飲む「オンライン飲み会」が流行だと言います。

人により向き不向きはありますが、そういった新しい取り組みをとりあえず試してみる価値は大きいのではないでしょうか。

Categories: