コロナ禍でストレスを抱える人が増える中、さまざまな心の病に苦しむ人が目立つようになりました。うつや不安症などがその典型ですが、これまで経験したことがない感染症の広がりを受け、病気を過度に心配する人も増えています。

病気への不安が強くなりすぎると、病気不安症と呼ばれる状態に陥ることがあります。日常生活にも支障をきたすことがあるため、どのようなものなのか、確認しておいてください。

■病気が心配すぎる人が増えている

世界中に広がったコロナウイルス(SARS-CoV-2)により、多くの人の生活が激変しました。外出が制限されたり収入面に不安を生じたりするなどの変化により、ストレスを感じる機会が増えたことから、心の健康を損なう人が増えた、と報じられています。

心の不具合にはいろいろなタイプがありますが、その一つとして最近注目されているのが不安症です。医療情報を提供する「eヘルスケア」が医師を対象に行ったアンケート調査によると、患者数の増加や症状の悪化が見られる疾患として、もっとも多く指摘されたのは不安障害やうつ病などの精神疾患でした。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は人類が初めて接する病気だけに、まだまだわからないことがたくさんあります。ある程度の不安を感じるのは自然な反応ですが、病気不安症になると、健康を損なうことを過剰に心配するようになり、日常生活に支障をきたすようになります。

■「重病に違いない」に苦しむのは心の病気

病気不安症は特定の症状を示す病気の正式な名前です。これまで心気症とされてきた精神的な疾患の一種で、アメリカの医学界が策定している病気の診断基準――DSM-Vの中にも、新たな病気の一つとして盛り込まれています。

とりたてて大きな病気にかかっているわけではない人が「自分は重篤な病気だ」と思い込んだり、強く疑ったりするのが特徴です。実際には、「なんとなく身体がだるい」「しんどい」「倦怠感が強い」などと感じる程度で、強い痛み等の症状はありません。

病院で検査を受け、「身体的な問題は見当たりません」「少し血圧が高いなど、小さな不具合がある程度です」といった診断が出ても納得しないのがこの病気の特徴です。

発症のきっかけになりやすいのは、些細な自覚症状や有名人の病気や死去などの情報です。一過性の軽い頭痛が起きただけで「脳腫瘍に違いない」と考えたり、「○○さんが××病で死亡した」などという報道を見て「自分も××病ではないか」と考えたりするケースが多いと言われます。

■コロナ禍が引き金になるケースも

病気不安症が起きる原因は主に二つ――患者本人の気質と環境にあります。神経質な人や繊細な人、完璧主義の人は体調の小さな変化を実際より大きく認識しがちです。また、「病気になったらどうしよう」と考える機会が多いため、発症するリスクが高いのです。

環境要因で大きいのはストレスの増大です。病気や健康とは関係がないことからくるストレスであっても、心身に影響しうつや不安症につながるケースが少なくありません。

たとえば、新たな仕事を任されるようになり、責任の重さを過剰に意識したことで、心身のバランスが崩れる、といったトラブルはよくあります。そんな時に感じたストレスが重なると、精神的なバランスを崩しやすくなるのです。

2019年以来続くコロナ禍はそんな環境要因を大きく増大させてきました。働き方や暮らし方が変わったり、経済的な不安を抱えるようになったりした人が急増したことで、心の問題に苦しむ人が増えています。

さらに、根源的な要因であるCOVID-19が感染力の強い感染症であることから、病気不安症に陥る人が増えるのは、自然な成り行きと言えます。

■改善には心身のケアと環境の見直しが必要

病気不安症の改善にはまず、本人の理解が必要です。自身の状態を客観的な目で検証し、重い病気を患ってなどいないことを理解できれば、不安を軽減できます。

そのためには身体の構造やはたらき、病気について、基本から学ぶことが求められます。その上で、検査結果等をもとに医師から説明を受ければ、比較的容易に病気の不安を軽減できます。

カギになるのは医師との関係ですが、信頼を醸成するためには適切なコミュニケーションが欠かせません。そのためにも、身体や病気に関する基礎的な知識は不可欠です。

知識があれば、医師の説明を理解し、不安に思うことや不明な事柄を尋ねる、といったコミュニケーションをとれるようになるので、より信頼関係を構築しやすくなります。

ただ、そういった解決策を実現するためには、心の状態を整えることが欠かせません。不安症のもとになっているストレスが軽減するよう、家族等が心身をケアし、環境を改めることで、患者は自身の問題に気づき、改善へと歩み出すことができます。

具体的には「病気の不安を否定するのではなく、いったんすべて受け入れる」「患者のストレスになっている人間関係や業務の問題を改善する」といった活動が有効です。

■まとめ

心の病気は脳という臓器の病気です。そのため、「気分を変える」といった簡単な対策が効くケースは少なく、原因にアプローチする効果的な手法が求められます。

この記事で紹介したとおり、段階を踏んで患者の心理状態を改善したり環境を改善したりすることで、病気不安症は軽減できます。

そういった活動の効果をより促進してくれる可能性があるのが水素です。脳のはたらきを促し、自律神経系を整える作用があるため、心の不調を改善する効果が期待されるのです。

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