コラム

黄砂やPM2.5が飛来するシーズンになると、皮膚にかゆみや炎症を発症する人が少なくありません。

季節性の敏感肌などとも呼ばれますが、有毒な浮遊物に対するアレルギー症状を起こしているケースが多いため、原因を知って正しく対応することで、ダメージを軽減できます。

■黄砂、PM2.5、紫外線――春は皮膚トラブルの季節

四季折々、気候が変わる国内では季節によりさまざまな健康トラブルが発生します。寒さ厳しい冬はインフルエンザやノロなどの感染症が多く、夏は熱中症の患者が急増するなど、季節性の疾患は少なくありません。

そんな中、春に多いのが皮膚のトラブルです。かゆみや炎症といった症状は不快なだけでなく、美容面でも問題を引き起こすことがあります。

春に起きる皮膚炎の原因で大きな割合を占めるのが黄砂やPM2.5といった空気中の浮遊物です。車のボンネットなどが真っ白になっていることもあり、それだけの微粒子が空気中に含まれているとしたら、呼吸器はもちろん、身体のさまざまな部位で問題が起きるのは理解しやすいところでしょう。

黄砂やPM2.5が春になると増えるのには大きく分けて二つの理由があります。一つは気温が上がると、中国の奥地にあるゴビ砂漠やタクラマカン砂漠の積雪、凍土が溶けて風に舞い上がりやすくなること。

もう一つは中国由来の微粒子を運ぶジェット気流が南下して、日本列島にかかるようになること、です。

春にはもう一つ、紫外線が強くなる、という問題もあります。冬場は弱かった太陽光が4月頃から強くなり、紫外線の量が増えます。その影響を受けて、皮膚トラブルが増えるのです。

■汚染物質でバリア低下 アレルギー反応で炎症

外界と接する人の上皮細胞には、内側の組織を守る役割が求められます。そのため、簡単にはがれたりすき間ができたりしないよう、通常は細胞同士が強く接着されています。

このいわば皮膚のバリア機能を強化する仕組みを「タイドジャンクション(密着結合)」といいます。PM2.5にはこのタイドジャンクションと関係が深い遺伝子の発現を抑えるはたらきがあります。

春は汚染物質に接する機会が増えている状況下で、バリア機能が低下してしまうのです。

一方、黄砂にはアレルギー炎症に関係するたんぱく質、IL-33の産生をうながす作用があります。黄砂はもともと砂粒ですが、中国大陸から日本へと移動する中で、さまざまな大気汚染物質などを吸着することがあります。

硫酸や硝酸塩、アンモニウム、さらにはニッケルなどの金属粒子を含んでいるケースも見られます。そのため、皮膚に接触すると、アレルギー反応を引き起こしてしまい、IL-33の産生を増やしてしまうことがあるのです。

皮膚細胞でIL-33が増えると、かゆみ症状などを発症するため、どうしても爪でかいたりして、皮膚を傷つけてしまいがちです。

バリア機能が弱っている皮膚がさらに弱ってしまい炎症がひどくなる、という悪循環に陥ってしまうことで、季節性の皮膚炎がどんどん悪化してしまいます。

■黄砂やPM2.5への被曝を抑えて活性酸素対策を

季節性の皮膚炎は黄砂やPM2.5が原因なので、なるべく被曝しないよう暮らし方を工夫することで抑えられます。

・家に入るときは玄関先でホコリをはたく。

・COVID-19対策の換気との兼ね合いに配慮しつつ、換気は最小限に抑える。

・微粒子が毛髪や衣類に付着しにくいよう、帽子を着用したり、ナイロン製などのツルッとした素材の衣類を着用したりする。

・天気予報を確認して、微粒子が多い時間帯の外出をできるだけ避ける。

こういった工夫で、炎症を軽減できます。

また、体内で起きる炎症には活性酸素が深く関わっているので、活性酸素対策をすることで、皮膚炎を抑えられます。

皮膚に付着したPM2.5は活性酸素を放出して、上皮細胞にダメージを与えます。このダメージにより炎症性サイトカインが大量に産生されると、免疫細胞の一つである好中球が活性化します。

好中球には病原体を排除するために活性酸素を放出するはたらきがあるため、体内で活性酸素が過剰になり、酸化ストレスが発生し、さらに炎症がひどくなる……といった悪循環が起きてしまうのです。

免疫反応によるこのようなサイクルを抑えるためには、抗酸化物質による活性酸素の無毒化が有効です。食事からとれるビタミンCやE、ポリフェノールなど、さまざまな抗酸化物質がよく知られていますが、もっとも強力な抗酸化力を持つ物質は原子状水素です。

今後、臨床的な研究が待たれるところですが、発症のメカニズムに照らすと、季節性の皮膚炎に悩んでいる人にとって、原子状水素が有効な解決策になる可能性は高い、と考えられます。

■まとめ

皮膚のトラブルが命に関わるケースはまれですが、若い女性などでは精神的なダメージにつながることが少なくありません。慢性化したり症状がひどくなったりした場合にはステロイド剤を使うこともあります。

ただ、ステロイド剤にはかなり強い副作用があるため、長く使い続けると、別のリスクが発生します。原子状水素には副作用がないため、その意味でも試してみる価値が高い方策だと言えます。

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