コラム

最近、集中力が続かないし、記憶力が下がってきた気がする。社内外の人ともギクシャクしがち――ビジネスにおけるそんなスランプの原因はストレスかもしれません。

健康を蝕むだけでなく、仕事の効率にも影響するストレス。今回はそんなストレスを呼吸で改善する方法を解説します。

■あれもこれも原因? 知らない間にたまるストレス

快適なオフィスで人間関係に恵まれ、しっかり休養をとりながら働けている、という人は残念ながら少数派です。多くの人は「仕事=ストレスの源泉」と感じているのではないでしょうか?

仕事におけるストレスの要因となるのは主に人間関係や仕事の量です。「上司や部下との関係がうまくいかない」「仕事が多すぎて残業ばかり」といった問題は大きな心理的ストレスをもたらします。

ただ、職場におけるストレス要因はそれ以外にもいくつかあります。室温や明るさ、椅子、机といった調度の使い勝手など、さまざまな要素がストレスにつながり、蓄積されていきます。

ストレスを感じると、交感神経が活性化します。人の身体には「戦闘モード」の交感神経と「リラックスモード」の副交感神経がそれぞれアクセルとブレーキのように、タイミングに合わせてバランスよく活性化する仕組みが備わっています。

交感神経が活性化されると、脈拍や血圧が上昇し、消化器系の活動が抑制されるなど、闘ったり逃走したりするのに適した状態になります。一時的には集中力も増すので、必ずしも悪いことではありませんが、心身には大きな負担がかかるため、身体を休めて回復するためには副交感神経が活性化する時間も必要です。

仕事におけるストレスが続くと、副交感神経への切り替えがうまく出来なくなってしまい、自律神経が疲弊しきってしまいます。いわゆる「ストレスが溜まった状態」に陥ってしまうのです。

■ストレスが溜まるとさまざまなレスポンスが低下する

ストレスが溜まると、仕事の能力にも影響が出始めます。活性化した交感神経はノルアドレナリンなどの神経伝達物質を大量に放出します。

このノルアドレナリンには脈拍・血圧の上昇など、戦闘に適した状態へと心身を導くはたらきがあります。ただ、大量に放出され続けると、大脳にある前頭前野の機能が低下する、という弊害も発生します。

この前頭前野は「人を人たらしめる脳」とも呼ばれ、意思や思考を司る部位です。集中力や洞察力、想像力など、仕事に必要な能力をもたらしている部位なので、交感神経優位の状態が続くと、ビジネスのレスポンスが低下してしまうのです。

前頭前野の機能低下は人間関係の悪化にもつながります。社会が円滑に機能するよう、怒りやいら立ちといったマイナスの感情を抑えのも、この部位の役割です。

ストレスが溜まると「すぐに激怒する」「人に辛く当たってしまう」など、人間性が低下する人が少なくないのは、前頭前野が機能不全を起こすため、と言えます。

■もっとも手っ取り早いのは呼吸の見直し

溜まってしまったストレスを減らす方法はいろいろありますが、もっとも手っ取り早く効果を実感できるもののひとつが、呼吸によるアプローチです。

人の肉体と感情は密接に関係しています。たとえば、不安や恐怖を感じると、脈拍が速くなりますが、この反応には双方向性があり、脈拍が速くなることで、余計に不安や恐怖が増大するのです。

そのため、身体反応を抑えられれば、感情をコントロールできるのですが、心臓の鼓動を意思の力で遅くすることはできません。

情動にリンクした反応の中で、唯一、簡単にコントロールできるのは呼吸です。呼吸には3つの種類があり、それぞれ司る脳の部位が異なるためです。

①代謝性呼吸:もっとも基本となる呼吸で、脳幹により無意識に行われている。

②情動呼吸:不安を感じた際に呼吸が速くなるなど、感情にリンクしている呼吸。

③随意呼吸:深呼吸など、人の意思に基づいて行われる呼吸。

ストレスを感じると、情動呼吸により呼吸は速く浅くなってしまいます。そんな時は「ゆっくり深い呼吸をしよう」と意識すれば、随意呼吸によりゆっくり深い呼吸に切り替えることが可能です。

呼吸が切り替わったことを感知すると、脳は「ストレスが軽減された」と認識します。これは一種の錯覚ですが、そう感じることで、交感神経の興奮を抑え、心身のバランスを取り戻しやすくなります。

■ストレスの軽減には「数息観」や水素吸入が有効

呼吸により心の状態を整える方法の一つに「数息観(すそくかん)」という呼吸法があります。禅において瞑想する時の呼吸法であり、誰でも簡単に始められます。

【数息観のやり方】

①なるべく音や光などの刺激がないよう、部屋のカーテンを閉め、テレビ等をオフにする。

②椅子もしくは床の上に座る。背筋を伸ばし、手は膝の上で軽く組み、親指の先をつけて円を作る。

③目は半眼(薄めを開いた状態)にして、数メートル先の1点を見つめる。

④お腹を凹ませながら鼻からゆっくりと息を吐き出す。

⑤お腹をふくらませながら、鼻から息を吸う。

⑥息を吐く・吸うの1セットを行いながら「1」と数え、以降はセットごとに10まで数える。

⑦10まで数えたら、また1に戻ってくり返す。

数息観ではひたすら呼吸を数えることに集中し、無念無想の境地にいたることを目的とします。最初のうちはいろいろな邪念が浮かんできますが、慣れると数息だけに集中できるようになります。

呼吸によるストレス軽減方法として、大きな効果ができるものに水素の吸入があります。水素ガスを鼻から吸入することで、自律神経の乱れを整え、溜まってしまったストレスを軽減できる可能性があるのです。

ストレスを感じると、人の体内では活性酸素が産生されます。通常は体内で産生される抗酸化酵素により無毒化されますが、あまりにストレスが強すぎたりうまく解消できなかったりすると、自力では処理しきれなくなります。

処理能力を上回った活性酸素によりダメージを受け、さらに抗酸化酵素の産生能力が低下する、という悪循環に陥るケースも少なくありません。

体内に摂取された水素は活性酸素と結びついて水になります。水素はもっとも効率よく活性酸素を無毒化できる物質なので、ストレスの害を抑える強い作用がある、と考えられているのです。

■まとめ

仕事の効率は心身の状態に大きく影響されます。ストレスはそんな心身の状態を損なう大きな要因です。ビジネスにおけるパフォーマンスを維持するためには、効果的なストレス対策が必須と言えます。

呼吸による改善はもっとも簡単で、誰でもトライできるやり方なので、仕事の成績ダウンを感じている人はぜひ、試してみてください。

水素の吸入はやや手間がかかりますが、体験できるサロン等が増えていますから、関心のある方はトライしてみるのがおすすめです。

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