コラム

街中でふとガラスに映った自分を見た時、口がポッカリ空いているのに気づいて驚いた経験はありませんか? 普段無意識に口呼吸をしている人は意外に多く、その影響で身体や心に悪い影響が出るケースが少なくありません。

この記事ではそんな口呼吸の原因や解決方法について解説します。

◆8割が口呼吸? コロナのせいで増えている可能性も

犬は興奮した時や体温が上がりすぎた時などに限って、ハアハアと口呼吸をします。通常は鼻で呼吸しており、口呼吸をするのは特殊な状況下に限られます。

犬だけではありません。人も含め、ほ乳類はほとんどみな鼻で呼吸するよう形作られているのですが、国内では非常に多くの人が口呼吸をしている、と言われています。

専門家の中には成人も含め8割が口呼吸をしている、と語る人もおり、本来の呼吸法である鼻呼吸をしている人の方が少数派です。

口呼吸になる原因は大きく分けると2つあります。口を閉じておくために必要な筋力の低下と鼻づまりです。口周りの筋肉は通常、咀嚼や会話などの「運動」により維持されています。

ところが最近では、軟らかい食べ物が増えたり、メッセージアプリの利用機会が増えたりしたことで、口周りの筋力が低下しやすくなっています。

鼻づまりを訴える人も増えています。PM2.5や花粉床などの影響でアレルギー性鼻炎を発症する人が増えているためです。

さらにはコロナ禍も口呼吸を促す要因になっている、と考えられます。人と会話する機会が減ったことや、マスクにより息苦しさを感じて鼻と口の両方で呼吸をするケースが増えたことで、口呼吸の人が増加しているのです。

◆影響は深刻 呼吸器疾患から精神疾患、誤嚥性肺炎まで

口呼吸による悪影響は非常に広範であり、一般に思われているよりもかなり深刻です。呼吸において鼻は大きな役割を果たしているためです。

【鼻の役割①:異物の除去】

鼻腔の奥には線毛と呼ばれる微細な毛が生えています。粘膜に付着した異物(ホコリや花粉、細菌、ウイルスなど)は線毛の運動によって食道の方へと送られ、胃酸によって分解されます。

【鼻の役割②:加湿】

鼻腔内を通る吸気に湿気を与え、喉や気管の乾燥を防ぎます。

【鼻の役割③:温度調節】

鼻腔内を通る吸気を体温に近い温度にあたため、喉や気管への刺激を低減します。

口呼吸になると、身体を守るこういったはたらきなしに、吸気がダイレクトで気管や肺に届いてしまうため、心身の健康を害してしまうことがあります。

気管支喘息や慢性扁桃炎といった呼吸器周りの疾患はもちろん、歯周病や虫歯など口腔内の疾患、アトピー性皮膚炎、高齢者ではドライマウスや誤嚥性肺炎などにつながるケースが少なくありません。

さらにはうつなどの精神疾患や免疫異常も引き起こすことがわかっています。

◆病巣疾患――免疫への負荷がさまざまな病気のもとに

口呼吸がもたらす弊害の中でも特に大きなリスクにつながるのが慢性扁桃炎や歯肉炎などの慢性的な炎症です。異物が体内に侵入すると炎症が起きます。しばらくたつと炎症は治まりますが、次々に異物が侵入する環境下では慢性的に炎症が起き続けます。

炎症の程度が軽いと、発熱したり痛みを感じたりしませんが、長く続く炎症は免疫機能にとって大きな負荷となります。そのため、慢性扁桃炎がアトピー性皮膚炎や膠原病などの免疫異常につながるケースは少なくありません。

炎症はうつ病など精神疾患の原因にもなります。原因がハッキリしない慢性の不調を抱える患者に口呼吸の改善を指導したところ、長年苦しんできた疾患が治った、というケースも報告されています。

◆口周りを鍛え直し呼吸法を練習 AFHの吸入も効果大

口呼吸を改善する方法はいくつかあり、インターネット上でも紹介されています。今回は簡単な方法を3つ紹介します。

①「あいうべ体操」

口を閉じるための筋肉――口輪筋を鍛える体操です。「あ~」「い~」などと発声するように口や舌を意識的に動かすことで、筋肉を強化します。1日30回程度のトレーニングを数週間続けると、多くの人で改善効果があると報告されています。やり方の詳細は下記の動画などを参考にしてください。

②ガムを噛む

ガムを噛む際には口の周りの筋肉を使います。日常からガムを噛む習慣を身につけることで、閉口筋など口を閉じておく役割を担う筋肉を鍛えることができます。

③サージカルテープを貼る

睡眠時に口呼吸をしてしまう人は、就寝の直前にサージカルテープを唇に貼るとよいでしょう。上唇と下唇をまたぐように貼ることで、寝ている間に口が開くのを防げます。しばらく続けると、口を閉じて眠る習慣がつくので、テープなしでも鼻呼吸できるようになります。

◆まとめ

口呼吸がもたらす慢性の炎症はさまざまな病気につながります。そう考えると、鼻で呼吸できていないことは未病の1つと言えるかもしれません。

慢性の炎症を軽減するのは簡単ではありませんが、AFH(活性状態の水素)にはそのはたらきがある、と報告されています。

口呼吸が気になる人はこの記事で紹介したような対策を講じるとともに、AFHを試してみてはいかがでしょう?

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