■変異株急増 大阪で東京を上回る感染拡大

緊急事態宣言が解除される前から予兆がありましたが、大阪や兵庫では第4波と呼ぶべき感染拡大が発生しています。4月5日時点で、大阪府における新規感染者数が7日連続で東京を上回る事態となりました。

今回の感染爆発では変異株が多い、という特徴が見られます。特にイギリス型(VOC-202012/01)が数多く検出されていますが、この変異株は従来型に比べて感染力が1.5~1.7倍程度強いと報告されています。

イギリスの例を見ると、2020年10月12日の週に同株がCOVID-19患者から検出される割合は3%程度でした。ところが、1か月半後の11月30日には95%、1月25日の週には100%と爆発的な勢いで増加しています。

今後、関西はもちろん国内において、イギリス型が大半を占めるようになる可能性はかなり高いと言えるでしょう。

■スパイクタンパク質の変化で感染力増大

ウイルスの変異は遺伝子コードのコピーミスによって発生します。遺伝子のコードが変わると、ウイルスを構成するアミノ酸が置き換わるため、それを確認することで変異を判定できるのです。

たとえば、イギリス型には従来型と異なる遺伝子コードが14カ所あり、そのうちの8カ所はスパイクタンパク質をコードする部位です。

スパイクタンパク質はウイルスの外側にある「突起」で、人の細胞に侵入する際には錠前を開ける「カギ」として機能します。そのため、このスパイクタンパク質が変異することで、感染力が変化するのです。

イギリス型のスパイクタンパク質には「N501Y」と呼ばれる変異が発生しています。これはスパイクタンパク質を構成するアミノ酸のうち、501番目のN(アスパラギン酸)がY(チロシン)に置き換わっていることを意味する記号です。

ちなみに、他の主な変異種である南アフリカ型やブラジル型には「N501Y」に加えて「E484K」という変異が発生しています。

■発症2週間目以降の死亡率は2倍も高い

イギリス型変異株には感染力が高いだけでなく、感染した人が死亡するリスクも高い、という問題があります。イギリスで行われた研究では、死亡率について従来型の1.64倍高い、という結果が報告されました。

この研究では2020年10月1日~2021年1月28日までの間、COVID-19に感染した人の追跡調査が行われています。対象となったのはPCR検査で陽性と診断された30歳以上の被験者10万9812人です。

「イギリス型」と「従来型」それぞれ5万4906人ずつのほとんどについて、診断から28日間にわたって追跡したところ、367人がこの期間内に死亡しました。

内訳を見ると、「イギリス型」は227人、「従来型」は141人となっており、「イギリス型」の変異株は死亡率が1.64倍も高いという結果が現れたのです。

特に、診断から2週間目以降の死亡率が変異株は極端に高く、従来型の2倍以上にのぼりました。

■効果は1/7? ワクチンが効かない可能性も! 

変異株がまん延することで生じる主なリスクとして「感染者の急増」「医療施設のパンク」「ワクチンの効力低下」という3つの問題が考えられます。

イギリスで新規患者がすべて変異株に置き換わったことでもわかる通り、感染力が強いイギリス型が増えることで、感染者数がこれまでに増して増大する恐れがあります。そうなれば、医療資源がひっ迫する危険性が高まり、ただでさえ高い死亡率がさらに高まるでしょう。

唯一の希望となるのは接種が始まっているワクチンです。ファイザー社製のワクチンについては4月1日、2回接種から6か月後も91.3%の有効性が維持される、という調査結果が発表されました。

また、南アフリカ型についても100%の有効性を示した、と発表されており、大きな期待が持てます。

ただ、その一方、変異株に対するワクチンの効果はかなり低い、とする研究結果が有力誌である「Nature」に掲載されています。この論文ではファイザー社製ワクチンを2回接種した人の血清を人工的にイギリス型の変異を発生させたウイルスに反応させたところ、効果が1.9分の1に低下したと報告。

同じく、イギリス型に南アフリカ型などに見られる「E484K」の変異を起こさせたところ、効果は6.7分の1にまで低下したといいます。

イギリス型に「E484K」が加わるケースはすでに報告されており、将来的にこのタイプが主流になると、ワクチンの効果は大幅に落ちることが予想されます。

■まとめ

災害などに対する備えを語る際には「最善を期待し最悪に備えよ」と言います。COVID-19の変異株についても、ワクチン等の効果が期待できる反面、変異により効果が低下する可能性についても想定しておくことが大切です。

海外の例を見ると、国内でも今後は感染力が強い変異株が一気に広まると考えるべきでしょう。感染しても重症化しないよう、原子状水素を摂取する意味は非常に大きいと言えます。

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