コロナの陰で忘れられているデング熱にも要注意

Medical Life Science Laboratory

国内で夏場の流行が心配される病気の一つにデング熱があります。新型コロナウイルス感染症に意識が向かう中、感染経路が異なるので、予防について考えておく必要がありそうです。

■蚊が媒介 刺されると高熱や関節痛

デング熱はデングウイルスに感染することで発症する感染症です。ウイルスをもっている特定の蚊に刺されると感染しますが、新型コロナウイルスのように、人から人に感染することはありません。

通常、感染してから3~7日程度で発祥すると言われており、高熱と関節の痛みが主な症状です。症状を抑える以外に有効な治療方法はありませんが、死亡するケースはまれで、多くの患者は1週間程度で回復します。

国内では新型コロナウイルス感染症の予防が叫ばれる中、同じく飛沫を浴びたりウイルスに接触したりすることで感染するインフルエンザの患者は例年に比べて少なめでした。

デング熱は感染経路がまったく異なるので、新型コロナウイルス感染症の予防により患者が減ることはあまり考えられません。

■もともとは熱帯の感染症だったが

デング熱はもともと熱帯・亜熱帯地方の病気であり、日本で発症する患者は海外で感染した人たちでした。ところが、近年は国内で感染するケースが見られるようになりました。

2014年には東京都の代々木公園とその周辺で流行。このときは100人以上が感染し、大々的に殺虫剤をまく騒ぎが発生しました。

その後も、しばしば国内で感染したと見られるケースが報告されており、2019年にも海外渡航歴のない患者2名が東京都で見つかっています。

国内で感染するケースが増えているのはウイルスを媒介する種類の蚊が生息域を広げているため、と言われます。ウイルスを媒介するのはヒトスジシマカとネッタイシマカという2種類の蚊です。

もともと国内にいたヒトスジシマカは北海道を除く全域にまで生息域を広げています。ネッタイシマカは国内にはいない、とされてきましたが、最近では成田空港の周辺などで見られるようになりました。

北海道を除き、国内のどこで感染してもおかしくないのが現状です。

■予防の基本は蚊に刺されないこと

デング熱にはワクチンや特効薬はありません。したがって、もっとも有効な予防法は「蚊に刺されないこと」です。

その意味ではステイホームが予防につながることも考えられますが、密を避ける外出として、アウトドアに出かけて刺されてしまうケースもあるため、注意が必要です。

ヒトスジシマカが吸血するのは主に日中で、気温が低い朝夕に多く活動することが分かっています。逆に夜間はほとんど吸血をしないと言われているので、朝夕の散歩や庭仕事などの特に気をつけてください。

蚊に刺されないためには肌の露出を減らすことや虫除けスプレー、蚊取り線香などの利用が有効です。

■まとめ

健康上の問題として、新型コロナウイルス感染症ばかりが注目を集めていますが、他の病気になるリスクが下がったわけではありません。

医療事情のひっ迫が心配される中、これからしばらくは蚊が活発に活動する時期ですから、デング熱予防も含めて、なるべく刺されないよう気をつける必要がありそうです。

 

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