コロナより危険な場合も? 消毒のリスクをおさらいしておこう

Medical Life Science Laboratory

withコロナの暮らしが長引く中、生活習慣として定着しつつあるのが消毒です。最近では、ほとんどの小売店や外食店の入口付近に消毒液が置いてありますよね。

使うと安心感があるのですが、薬液等を使う消毒には一定のリスクがあります。中には「火傷をする」と警告する声もあるので、注意が必要です。

SARS-CoV-2(コロナウイルス)の特徴をおさらい

消毒について語る前に、まずはその対象となるSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の特徴についておさらいをしておきましょう。

ウイルスの直径は100nm(10億分の1メートル)程度で、エンベロープと呼ばれる油膜に包まれています。

サイズが非常に小さいので、飛沫に混じって飛ぶほか、床や壁などに付着した飛沫が乾燥すると、ウイルスが再度、空気中に漂うことがある、と考えられています。

主に鼻や喉、目の粘膜に付着することで感染するのに加え、消化管からも感染することがあります。つまり、飛沫が目に入ったり、呼吸により吸い込んでしまったり、ウイルスが付着したものを食べてしまったりすることで感染するのです。

そんな複数ある感染経路の中でも、もっとも多いのは接触感染だと言われます。ウイルスが付着した手で、目や鼻、口を触ることで、粘膜から感染するケースがいちばん多いのです。

また、SARS-CoV-2は体外でも一定期間、感染力を維持することが分かっています。環境によってその長さは異なりますが、スマートフォンの画面のようなツルツルした素材に付着すると、感染力を長期間保つことができます。

温度や湿度の条件がウイルスにとって適切なら、7日以上も感染力を維持するケースがあると報告されています。

消毒の基本は「洗い流す」か「油膜を破壊する」か

SARS-CoV-2を消毒するやり方は主に2つです。付着したウイルスを洗い流すか、ウイルスを覆っている油膜を破壊するか。

洗い流すのに使われるのは流水や石けんです。特に、「薬用」という言葉の安心感ゆえか、薬用石けんがよく利用されています。

一方、油膜の破壊を期待して使われる薬剤はたくさんあります。アルコール消毒液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤など)、次亜塩素酸水、界面活性剤(洗剤)などなど。

いずれも、化学的に油膜を破壊できる、と考えられて利用されています。

消毒用薬剤にはリスクもある

ほとんどの薬剤にはリスクがあります。適切な使い方をしなければ、かえって健康を害するおそれがあるので、利用する際にはしっかり確認しておいてください。

①薬用石けんのリスク

石けんの中でも、リスクが指摘されているのが薬用石けんです。殺菌効果があるとして配合されているトリクロサンなどの成分は皮膚から吸収されて、ホルモン分泌に影響したりアレルギーのリスクを高めたりすることがある、と報告されています。

その一方、薬用石けんの効果は普通の石けんと変わらない、と報告されているので、あえて使う必要はなさそうです。

②アルコール消毒液

刺激による皮膚炎やアレルギー等の副作用が報告されています。お酒に弱い人は特に症状が出やすいので、注意が必要です。

アルコール消毒液についてはもう一つ、引火の危険性が指摘されています。アルコール消毒液を使った直後にたばこに火をつけようとしたり、花火に点火しようとしたりすると、手に燃え移る危険性があります。

③次亜塩素酸ナトリウム

皮膚に付着すると手荒れなどの原因になります。また、溶液を使ってテーブルを拭くなど、清掃に使う場合には、気化した塩素により、呼吸器などの粘膜や肺などにダメージを生じることがあります。

④次亜塩素酸水

手指の消毒等に使う分には、副作用は少ないと考えられています。ただし、安全だと言われたため、環境を消毒する目的で、空気中に噴霧するケースが報告されていますが、これについてはWHOも「吸入すると危険なのでやめるように」とコメントしています。

まとめ

紹介したように、消毒液にはそれぞれ、使い方を間違えると健康を害するリスクがあるので、適切な使い方を心がけてください。

また、アルコール消毒液のように、「ひんぱんに使うことを想定せずに開発された商品」もあるので、皮膚の状態や体調に異変が見られたら、すぐに使用をストップすることも大切です。

もっとも効果が大きく、害が少ないのは「流水と石けんによる手洗い」だとされています。他の消毒手段はそれができないときの代替手段と考えるべきでしょう。

 

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