コラム

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進む中、副反応の話をよく耳にするようになりました。というより、接種した人の大半が「熱が出た」「ほとんどなんともなかった」など、なにがしかの情報を教えてくれます。

ただ、中には1回目に予期せぬ副反応が出たため、2回目の接種をどうすべきか、悩んでいるという人もいるようです。この記事では、そんな方たちの参考になるよう、現時点でわかっていることをまとめてみます。

■副反応の報告と現実にはかなりのギャップがある

厚生労働省が7月21日に発表した資料によると、2021年7月11日までにワクチンを接種した回数はファイザー社製で5800万回あまり、モデルナ社製180万回あまりとなっています。

副反応の疑い事例はファイザー社製で0.03%、モデルナ社製0.02%と報告されていますが、これは多くの人が実際に感じている状況とはかなり異なります。冒頭でも触れたように、「熱が出た」といった声を身近で非常に多く聞いている人が大半ではないでしょうか?

1000人に2~3人程度しか副反応が出ていない、という報告が意味するのは、関係する製薬会社や厚生労働省が事例をきちんと把握していない、という事実です。

筆者も製薬会社に勤める妹から事情を聞いていますが、コロナワクチンの副反応に関する報告の仕組みは、通常の薬剤における取扱とはまったく異なり穴だらけ、とのことでした。

ワクチン接種の副反応が疑われる症状はかなり多様です。一般的には発熱や倦怠感、頭痛、接種した部位の腫れ等が知られていますが、そういったものだけではありません。

吐き気や下痢など消化器系の症状、蕁麻疹等の皮膚症状、めまいや末梢神経障害など神経系の症状、血圧異常や頻脈など循環器系の異常などが報告されています。

これらの症状の報告例はあまり多くありませんが、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状以外は積極的に情報を集める仕組みになっていないため、実際には報告数よりもかなり多い症例があるものと考えられます。

■2回目は1回目よりも強い副反応が出る

ワクチンの副反応は1回目よりも2回目の方が重くなることが多い、と言われます。そのため、1回目のワクチン接種である程度重い副反応が出た場合には、2回目を打っても大丈夫か、心配になります。

副反応が起きる原因はまだ明らかになっていません。症例ごとに異なると考えられますが、もっとも多いのはやはり免疫系の反応でしょう。

ワクチンによって刺激を受けた免疫細胞が神経細胞等、異常のない細胞を攻撃したり、炎症を引き起こしたりすることで、さまざまな症状が現れている、と考えるのが自然です。攻撃の対象となっている部位により、症状が異なるので、多様な症状が現れているのです。

1回目のワクチンで抗体ができていると、それにより2回目には免疫反応が重くなることがあります。発熱等、一般的な副反応は数日でほとんどおさまることがわかっていますが、神経系の症状や循環器系の症状は、医師による治療が必要になったり長引いたりすることがあります。

筆者の妹はモデルナ社製のワクチンを初めて接種した直後、頻脈と高血圧という副反応を起こしました。接種2日後には同様の症状で救急搬送されたのですが、原因不明ということで治療を受けることはできず、結局、不定期の頻脈と高血圧に1週間程度悩まされることとなりました。

1回目でそういった症状が出た場合、2回目を受けるべきかどうかは非常に悩ましい判断です。

■1回で終わらせるか2回目も打つか

2回目の接種を受けるべきかどうか、筆者のもとに妹から相談の電話がありました。私がアドバイスしたのは「自分なら2回目は打たない」という選択でした。

ほとんどの医療行為にはメリットとデメリットが存在します。たとえば、大きな手術をする時には、その治療により病気が治ったり、症状が緩和されたりするメリットがある一方、手術の失敗による健康被害や術後の痛み、入院による不便などのデメリットがあります。

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種も同じです。感染や重症化を抑えるメリットがあるのに対して、副反応のリスクというデメリットがあるので、それぞれの大きさを確認して比較する必要があります。

モデルナ社製のワクチンを2回接種した場合と1回しか接種しない場合では、効果に違いがあります。特に、従来株に比べてワクチンの効果が低いと言われるデルタ株では、1回接種では高い効果が期待できない、と考えられていました。

ただ、カナダで発表された研究では、モデルナ社製を1回接種した場合のデルタ株に対する感染予防効果は72%と発表されました。入院を防ぐ効果は96%となっており、かなり高い効果がある、とされているのです。

査読前の論文なので、議論の余地はありますが、入院については100%近い抑制効果が見られたということなので、安心につながる研究成果だと言えます。

妹の場合には、健康体であり、基礎疾患はありません。1回目の接種をすませた段階で、新型コロナウイルス感染症が重症化するリスクはかなり低い、と考えられます。

2回目を打つことで、感染・入院のリスクはさらに抑えられますが、現状からの積み増しはそれほど大きくありません。2回目の接種により得られるメリットは小さいのです。

一方、ワクチン接種のデメリットである副反応については、1回目よりも重い症状が出る確率が高く、そうなった場合には現状では原因がわからないため、適切な治療を受けることができません。

メリットとデメリットを比べた場合、「自分なら打たない」と私が判断したのはこういった経緯によります。

ただし、デルタ株に対する効果について、イギリスで行われた研究発表では、ファイザー社製を1回接種した場合の感染予防効果は33%にとどまる、と報告されています。

モデルナ社製と同じmRNAワクチンであり、その他の研究でもよく似た効果や副反応が報告されているので、その報告を参考にするなら、1回の接種では効果が小さいため、2回目を打つメリットが大きい、と言えるかもしれません。

■まとめ

新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、まだまだわからないことだらけです。限られた情報の中で、論理的な判断を下すのは難しいので、不安や疑問を感じる事柄についてはかかりつけ医などに相談するのがベストです。

接種を受ける側にできることはほとんどないのですが、唯一、副反応の不安を軽減するために有効なのは免疫の調節です。

食事、睡眠、運動といった健康習慣を崩さないことや、原子状水素の摂取により、免疫の問題により、重い副反応が出るリスクを軽減することができます。

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