コロナ禍で医療資源がひっ迫する中、「急病で倒れた人の救急搬送先が見つからない」というケースが増えています。今、命を守るためには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だけでなく、大きな病気やけがを予防することが不可欠なのです。

予防策のひとつとしておすすめするのが「血圧の左右差を確認すること」。その意味や左右差がもたらすリスク、対策についてこの記事では解説します。

■普通は右が高い? 血圧は左右で違うのが普通だが

体重や血圧の測定は簡単にできる健康管理活動の一環です。左右、どちらの腕で計ってもよいのですが、両方の腕で測るケースは少ないでしょう。

基本的にはどちらで計っても同じくらいの数値になるはずだからです。実際、健康な人の場合、血圧の左右差はほとんどありません。身体の構造上、右が少し高い人が多い、と言われますが、数㎜程度の差にとどまるのが普通です。

逆に言えば、大きな左右差がある場合には身体になんらかの異変がある、と考えることができます。わずかな手間で病気の可能性を確認できるので、やったことがない人はぜひ一度、両腕での血圧測定を試してみてください。

■大きな左右差が示すのは血管の狭窄や閉塞

血圧の左右差をもたらすのは血管の狭窄です。なんらかの原因により、血管が細くなったり、詰まってしまったりすると、血圧に影響が現れるのです。

両腕の血管が同時に同程度狭窄することは少ないので、左右差が現れたら、「血管の状態が悪くなっている」と判断できます。血管が細くなる原因でもっとも多いのは動脈硬化です。

腕にいたる動脈のどこかで、アテロームなどにより血管が細くなったり、血栓でふさがったりしていると、血圧に影響します。

進行すると、心臓や脳など重要な臓器の血管が詰まってしまい、その先にある組織に酸素や栄養が届かなくなるので、命に関わる発作がいきなり起きることがあります。

血管が細くなる原因には他にも大動脈解離や血管内皮細胞の炎症、外傷などがあります。大動脈解離は血管内皮が剥がれてしまう症状で、命の危険につながるだけでなく、ひどくなると激痛を伴います。

血管内皮細胞の炎症は一過性の場合もありますが、動脈硬化へと進行することもあるので注意が必要です。

■左右差○㎜以上は危険! 死亡リスクが上昇する

それでは、具体的にはどのくらいの左右差が見られると危険なのでしょう?

これについてはいろいろな説があり、たとえば岩手県立中央病院心臓血管外科が公開している資料では最高血圧(収縮時血圧)「50mmHg」をひとつの目安としています。それ以上の差がある場合は、専門の診療科を受診するのがよい、というのが同機関の見解です。

その他にも10~20㎜Hg以上とする説などがありますが、近年、エクセター大学(イギリス)のクリストファー・クラーク教授らが欧米や中国のデータを元に行った調査によると、5㎜Hgの差でも死亡率が上昇する、とのことです。

この研究では約5万4000人のデータを元に血圧の左右差と死亡率の関係を検証しており、その差が大きくなるのに伴って、虚血性心疾患などの心血管トラブルのリスクが高くなることがわかっています。

■左右差があるときはどっちの腕で血圧を測るべき?

血圧の左右差を測るときにはそれぞれの腕で2回ずつ計測して、平均するのがよいでしょう。その上で最高血圧の差がどれだけあるのかを確認してください。

左右差が10㎜Hg以下なら特に問題がない、と判断できるので、普段は片方の腕だけで測定し、定期的に両腕での測定をするのがよいでしょう。

片腕で測定する際には、血圧が高かった方の腕で測定して、変化を観察します。高くなるのはもちろん、特に思い当たる理由がないのに低くなる場合にも、健康上のトラブルが隠れている可能性があるので、主治医に相談しましょう。

■まとめ

コロナ禍の中で健康を維持するためには自分の身は自分で守る工夫が普段にも増して大切です。家庭用の血圧計でも左右差を測るのは簡単なので、普段から血圧を測っている人はぜひ、試してみてください。

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