コラム

国内では成人の8人に1人が慢性の腎臓病を抱えている、と言われます。進行すると透析なしには暮らせなくなる恐い病気ですが、多くは生活習慣を見直すことで、予防し改善できます。

腎臓病患者はCOVID-19を発症すると、重症化するリスクが高いこともわかっているので、対策を確認しておきましょう。

■患者数1330万人 末期になると週3で透析

人の体内では代謝に伴って、常に老廃物が発生しています。蓄積すると、さまざまな弊害が現れるため、発生した老廃物は血流により腎臓に運ばれ、濾過されて尿の中に排出されます。

腎臓はさらに、血圧や血球の量、電解質のバランスなどを適切に保つ役割を担っています。人が生きる上で、とても大切なはたらきをする臓器なのです。

そんな腎臓の機能が低下する慢性の腎臓病を抱えている人が国内には1330万人もいる、とされています。腎臓病の多くは状態がかなり悪化しないと自覚症状が現れません。

さらに困ったことに、ある程度以上悪化してしまうと、現在の医学ではもとの状態に戻せないため、「知らないうちにジワジワと劣化が進み、症状が現れたときには治療不可能」というケースが少なくありません。

腎臓が機能不全に陥った場合、器械で血液を濾過する「透析」が欠かせなくなります。末期になると週に3回以上も透析を受ける必要があり、QOLが大幅に低下してしまいます。

■もっとも多いのは高血糖による腎障害

慢性腎不全に陥る原因はさまざまですが、最近では糖尿病が最多となっています。血糖値が高くなると、細胞に対する糖化が進みます。血液に含まれる糖と細胞のタンパク質が結合するメイラード反応により、いわゆる「焦げ」ができてしまうのです。

この焦げはAGE(最終糖化物)は、強い有毒性で知られる活性酸素と並んで、人の細胞を傷つけ劣化させます。特に、糖分の多い血液と直に接する血管内皮細胞に対するダメージは大きく、血管の硬化を促進する大きな原因の一つです。

腎臓には非常に細い血管がたくさん集まっています。それらの血管により老廃物を濾過しているので、血管が硬化し狭まってしまうと、すぐに機能が低下していきます。

老廃物を濾過する能力が低下するのに加え、慢性的な炎症が起きるようになり、血圧や電解質のバランスを保つ機能も損なわれてしまうのです。

コロナ禍により、運動不足に陥る人が多い中、高血糖から慢性腎不全を引き起こす人が、今後は増加するのではないか、と心配されます。

■食事や運動を見直して血管の糖化を抑える

血管の糖化を抑えるためにもっとも有効なのは、血糖値を引き下げることです。血糖値は主に食事や運動といった生活習慣に影響されます。

食事については食べるものや食べる量のコントロールが重要です。糖質を多く含むスイーツ類などはもちろん、たいないですぐに糖質になる炭水化物を多く含む白米や小麦なども血糖値を上昇させやすい食べ物です。

血糖値を抑えるためには肥満の予防も重要です。糖質や炭水化物を摂ると、代謝により血糖値が上がりますが、人の体内ではインスリンというホルモンが分泌されることで、この上昇が抑えられています。

インスリンには血液中の糖分を細胞に取り込むよう促すはたらきがあるためです。ところが、肥満している人の脂肪細胞からはこのインスリンのはたらきを抑えるホルモンが分泌されるため、血糖値が高い状態が続いてしまいます。

摂取カロリーを抑えたり、意識的に運動したりして、肥満を予防することが血糖値を抑えて腎臓を守るためにはとても重要なのです。

■水素で慢性腎臓病の予防や改善も?

ここまで解説してきた通り、慢性の腎臓病は生活習慣によって少しずつ悪化します。糖化はもちろん、活性酸素による酸化も腎臓の血管を傷つける大きな要因なので、予防や改善に抗糖化と抗酸化が有効なのは間違いありません。

基本となる対策は、生活習慣の見直しですが、水素の摂取にも大きな可能性があると考えられます。水素が体内で発生する活性酸素と結びついて無毒化する効果はよく知られています。

水素にはさらに、抗糖化作用もあるため、腎臓病の予防や状態改善効果が期待できるのです。特に、活性状態の水素(H(H2O)m)については、セイシェル島の透析病院における臨床実験で、透析患者の状態を改善する大きな効果が確認されています。

抗炎症作用や血管内皮細胞を守るはたらきなどがあることもわかっているので、今後の研究が待たれるところです。

■まとめ

患者数の多さからもわかる通り、慢性の腎臓病は誰もが発症しうる病気です。コロナ禍により生活習慣が変わったことで、より高いリスクにさらされている人が増えている、と思われるので、気になる人はぜひ健康診断を受けて下さい。

腎臓病は年齢と共にリスクが高くなる病気です。尿検査等で簡単に診断できるので、一定以上の年齢になったら、定期的に検査を受けるのがおすすめです。

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