コラム

コロナ禍以降、電車内やショッピング施設内など、他人がいる場所で咳をすることに神経を使うようになりました。中には、咳が原因で暴言や暴力の被害が発生した、などの事例も報告されており、気になるところです。

今回はそんな咳について、原因と効果的な止め方をまとめてみました。

■咳でトラブルも! コロナ禍で心配される咳事情

新型コロナウイルスは呼吸器に感染することが多く、咳嗽(せき)は発熱などと並ぶ主な症状の一つです。また、咳による飛沫によっても感染することがわかっていることから、コロナ禍以降、多くの人が他人の咳に対して神経を尖らせるようになりました。

もちろん、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に限らず、インフルエンザや一般的な風など、咳を介してうつる感染症はあるので、口元を服の袖で覆うなどの飛沫対策は大切です。

ただ、コロナ禍でストレスをためる人が多いこともあり、そういった対策をしていても、公共の場で咳をしただけで、暴言や暴力の被害に遭うケースがあるようです。メディアでも「咳に起因する事件」がしばしば報じられています。

新型コロナウイルス感染症以外にも、症状として咳が出やすくなる原因はいくつかあります。インフルエンザや風邪、喘息、肺がん――後でくわしく解説しますが、ストレスが原因で咳が出ることがあります。

特に冬期は咳が出やすい季節なので、社会から受けるダメージを緩和するためにも、咳を抑える方策を知っておきたいところです。

■心身に大きな負担 放置すると炎症や骨折も

空気の冷たい戸外や煙の多い環境に遭遇した際に咳が出ることは珍しくありません。咳は呼吸器系で感知された異物を体外に排出するために起きる反応で、それ自体有害というわけではありません。

ただ、長く続く場合には心身に大きな負担がかかるケースもあります。前述したように、最近では他人の反応が心配されます。そのことがストレスになることも少なくありません。また、咳により気道に炎症が起きたり、ひどい場合には肋骨が折れたりすることもあります。

慢性の咳は睡眠にも影響します。睡眠時には自律神経が副交感神経優位の状態に切り替わります。副交感神経には脈拍を遅くしたり末梢の血管を拡張したりするはたらきがあります。筋肉も弛緩するため、気道については狭まってしまい咳が出やすくなるのです。

そのため、慢性の咳に苦しむ人の中には「夜、眠れない」と訴える人が少なくありません。不眠は体調に大きく影響するので、咳の原因となっているトラブルがさらに悪化することも考えられます。

■ストレスも? 咳が出る原因はさまざま

前述したように、咳は呼吸器が異物を排除しようとして起きる反応です。気道や気管支、肺などに「体内あってはいけないもの」がある、と感知すると、延髄にある咳中枢に信号が届きます。

届いた信号は脊髄神経により、声帯や横隔膜など咳反応に関係する部位で反射的な運動を引き起こします。これが咳が出るメカニズムです。

この反応を引き起こす原因はいくつもあります。実際に異物を吸い込んでしまったときはもちろん、インフルエンザや風邪、百日咳などの感染症、肺がんは咳発作を起こすことが多い疾病です。

ストレスによっても咳が出ることがあります。咳中枢は大脳皮質の影響を受けるため、ストレスにより神経伝達物質のバランスが崩れると、咳反応が起きることがあるのです。

「人前で話すときなどに咳が出る」という人は少なくありません。緊張で喉が乾くせい、と考えがちですが、ストレスが咳中枢に影響していることもあるので、精神的な問題を意識してみることも大切です。

■対症療法と根治療法 2つの治療を並行で

咳の対策には大きく分けて対症療法と根治療法があります。

①対症療法

とりあえず、咳を止めることに重点を置くのが対症療法です。簡単な方法としては「のど飴をなめる」「部屋の湿度を上げる」「マスクをしてのどに対する冷気や乾燥した空気の刺激を和らげる」といったやり方があります。

そういった手段で咳を止められないときには、咳止め薬を使います。薬にはいくつかの種類がありますが、効果が高いと言われるのは「ジヒドロコデインリン酸塩」と「デキストロメトルファン 臭化水素酸塩水和物」の2つです。

前者は麻薬性鎮咳薬なので、仕様については薬剤師などの専門家に相談するのがおすすめです。

②根治療法

咳の原因となっている病変を改善するやり方です。治療を進めるためには、原因を特定する必要があるので、医師の診断を受けてから治療を始めます。

病変によっては治療に時間がかかるケースもあるので、対症療法と並行して進めるなど、身体の状態やニーズに合う治療を選択する必要があります。

■まとめ

咳はありふれた症状ですが、長く続くと体力を消耗し、心身の状態悪化につながります。特に、コロナ禍の中では「咳が心配で外出できない」と考える人も多く、従前に増して大きなストレスの原因にもなっています。

日常生活で受けるストレスを緩和するためにも、気になる人はまず、かかりつけ医に相談してみるのがおすすめです。 

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