コラム

さまざまな障害がある中でも、失明は人にとって非常にダメージの大きなトラブルです。そんな失明をもたらす原因の第1位であり、気をつけたい疾患と言えるのが加齢黄斑変性。

コロナ禍の中で、目に負担がかかる働き方をする人が増えているので、予防策を考えておきたいところです。

■失明原因第1位 加齢黄斑変性が増えている

加齢黄斑変性は網膜の中心部にある網膜の黄斑部が加齢によって劣化し、機能低下を起こす疾患です。眼球をカメラにたとえると、網膜は光が像を結ぶ「フィルム」にあたります。黄斑部はそんな網膜の中心にある部位で、光をもっとも精細に知覚し、色の細かな識別も担います。

加齢黄斑変性を発症すると、そんな黄斑部が劣化することで、ものが歪んで見えたり、小さく見えたりします。さらに病状が進むと、視力が大きく低下し、失明することもあります。

日本においては後天的に失明する原因の第1位となっており、高齢化が進む中で患者数が増えています。最近では特に、テレワークの普及によりパソコンの長時間使用など、目に負担がかかる働き方をする人が増加しているため、患者数がさらに増えるのではないか、と心配されます。

■加齢黄斑変性には萎縮型と滲出型がある

加齢黄斑変性には主に2つの種類があります。一つは加齢により黄斑部が萎縮するタイプで、症状がゆっくり悪化するのが特徴です。

もう一つは網膜の下層に異常な血管が新生されることで発症するタイプ。この血管から漏れた血液や血液成分の一部が黄斑部の下にたまり、視野が侵されていきます。急激に悪化することがあり、短期間で失明にいたるケースも見られます。

加齢黄斑変性はその名の通り、加齢とともに有病率が高くなる病気です。国内では50歳以上の1.2%が発症するとの報告があります。喫煙や肥満、強い光などが発症に関係する危険因子です。

大まかに言うと、老化が進んで未病の状態に陥った人の目に強い負担がかかると、発症するリスクが高くなるのです。

■運動不足で心配される糖化も原因に

コロナ禍の中で加齢黄斑変性の増加が心配される理由の一つに、運動不足があります。テレワークに切り替わった人の場合、それまで運動になっていた通勤の負荷がなくなってしまいます。

その分、意識的に身体を動かしたり、食べる量を減らしたりできる人はあまり多くありません。消費しきれないカロリーにより、血糖値が上がると、体内では最終糖化物(AGE)が増加します。

AGEには細胞と結びついて糖化するはたらきがあり、糖化された細胞はダメージを受け、劣化します。そのため、糖化は酸化と並ぶ老化の原因とされており、加齢黄斑変性についても、大きな要因となることが奈良県立医科大学の研究者らが報告しています。

黄斑部にAGEが沈着することで、加齢黄斑変性の前駆的状態と言われるドルーゼンが発生すると考えられており、運動不足は加齢黄斑変性をもたらす有力な要因の一つと言えます。

■PCモニターの青色光で酸化ダメージ

前述したとおり、加齢により劣化した網膜に大きな負荷がかかると、加齢黄斑変性を発症するリスクが高まります。そんな負荷の中でも、コロナ禍において心配されるのがパソコンやスマートフォンの画面が発する青色光です。

光のエネルギーは波長によって異なります。青色はもっとも強いエネルギーを持つ波長であり、長く見続けると、網膜にはストレスがたまっていきます。

人の細胞はストレスにさらされると、大量の活性酸素を産生します。活性酸素は細胞を酸化させ、ダメージを与える因子ですが、網膜の細胞には特に酸化されやすい不飽和脂肪酸が多く存在するため、酸化によるダメージを負いやすい、という特徴があります。

黄斑部はそんな網膜の中でも、特に強い光が集まるため、酸化によるダメージが集中する部位です。テレワークにより、糖化に加え酸化が加わることで、加齢黄斑変性を発症するリスクがさらに高くなる、と考えられます。

■生活習慣の見直しで酸化と糖化を予防

とはいえ、「目を守るためにテレワークをやめる」というのはあまり現実的な選択とは言えないでしょう。前述したように、加齢黄斑変性は糖化と酸化により発症すると考えられるので、それらを予防するのが最善の策です。

糖化も酸化も生活習慣により、その多くがもたらされます。食事・運動・睡眠という3つの要素が強く関係しているので、それらを見直すことで、加齢黄斑変性のリスクを軽減できます。

栄養バランスに優れた食事を適切な量、摂取する。適切な負荷の有酸素・無酸素運動を継続的に行う。質のよい睡眠を十分にとる。こういった生活を送れれば、加齢による影響を全身的に抑えられるので、目についても健康を維持しやすくなります。

その上で、パソコンを使う機会が多いなら、ブルーライトを軽減する眼鏡をかけたり、ブルーライトカット機能を利用したりするなど、目に対する負荷を軽減すれば、より加齢黄斑変性を発症するリスクを抑えられます。

さらには「活性状態の水素(H(H2O)m)」の摂取も有効だと考えられます。吸入することで、糖化を抑制し、活性酸素を無毒化できるため、老化による影響を軽減できます。

■まとめ

コロナ禍によるテレワークは多くの人の健康にさまざまな影響をおよぼしています。目の健康に対する影響もその一つであり、失明につながることもある加齢黄斑変性は注意すべき疾患です。

生活習慣を見直して予防すると共に、視野が歪むなどの異変を感じたら、すぐに専門医を受診するのがおすすめです。

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