マスク着用で高まる熱中症リスク 予防のカギは3つある

Medical Life Science Laboratory

そろそろ猛暑の季節。気象庁によると、2020年の夏は全国的に平年より気温が高く、残暑も厳しいそうです。そんな中、予想されるのが熱中症患者の増加です。

マスクの着用により、熱中症になる人が増えるおそれが高いので、夏を健康に乗り切るためには熱中症対策が欠かせません。

■コロナ禍でリスクが高まる熱中症

7月も半ばを過ぎ、そろそろ梅雨明けの気配が感じられるようになりました。豪雨被害もあり、雨の季節が終わるのを待ち望んでいた人も少なくない、と思われますが、次に訪れるのは猛暑の季節です。

特に今年は今までにない「withコロナの夏」を迎え、熱中症患者の急増が心配されています。熱中症は気温との関係が高い疾患であり、季節によって発症リスクは大きく異なります。

日本救急医学会が発表している資料によると、熱中症による救急搬送は7月下旬がもっとも多いとされており、まさにこれからがいちばん危険は季節です。

今年は多くの人が「真夏にマスクを着用する」というこれまで経験したことがない行動を求められるため、厚生労働省も「『新しい生活様式』における熱中症予防行動のポイント」を発表するなど、特別な呼びかけを行っています。

■重症化すると後遺症は死亡のリスクも

熱中症は高温多湿により起きる身体の不調を言います。不調の程度はさまざまで、身体のほてりやめまい、といった軽度のものからけいれん、吐き気、意識障害などを起こすことがあります。

人の身体には体温を一定に保とうとする優れたはたらきがあります。寒ければ熱を失わないよう末端の血管が収縮しますし、暑ければ汗をかき気化熱で身体を冷やします。

なんらかの原因でこの機能が十分にはたらかなくなることで発症するのが熱中症です。

多くの場合、気温や湿度が高すぎる環境に居続けたり、負荷の大きな運動や労働をしたりすることで発症します。

重症化すると、体温の調節機能がさらに低下するので、身体中でさまざまな不具合が発生します。あちこちで血栓ができてしまい、多臓器不全に陥ったり、腎臓や脳など重要な臓器に重い障害が残ってしまったりすることがあります。

最悪の場合には死亡にいたったりすることもある恐い疾患です。

■子供や高齢者、持病のある人は特に危険

熱中症のリスクは人によって異なります。同じ環境で同じ行動をしても、熱中症になりやすい人とそうでない人がいるのです。体温調節が苦手な子供や高齢者、持病がある人は熱中症になりやすいことが分かっています。

子供については今夏、「夏休みが短縮される」というリスク要因があります。冷房設備の普及率(2019年9月1日時点)は、小中学校で77.1%となっています。

北海道、青森県、秋田県以外では8割以上となっていますが、それでも2割の教室にはエアコンがありません。また、通学時には猛暑の中を歩くことになります。

いつもなら涼しい家にいられる時期、マスクを着けて通学し、教室で勉強しなければならないのです。子供は呼吸によっても体温調節を行っているため、気温や湿度が高い環境でマスクを着けると、熱中症のリスクが大幅に増大すると考えられます。

高齢者や持病のある人についても同じことが言えます。喉のかわきに気づきにくい、体温調節が苦手、といった特徴があるため、猛暑の時期にマスクを着けることで、熱中症になる危険性は非常に高くなる、と考えるべきでしょう。

■徹底した感染対策で熱中症を予防

熱中症は原因が明らかなので、少し気をつけるだけで防げます。対策は大きく分けて3つあります。

①身体が熱くなるのを避ける

エアコンを使って室温を十分に下げる、涼しい服装をする、激しい運動や労働を避ける、といった工夫がしっかりできれば、それだけでリスクを大幅に低減できます。

②体温調節機能を維持する

体温の調節機能は体調に影響されます。ですから、熱中症を予防するためには質のよい睡眠や栄養を十分にとるなど、健康な状態を保つことが欠かせません。また、喉がかわく前にこまめに水分と塩分を補給することも大切です。

③マスクをはずせる環境を作る

前述のように、マスクを常に着けていると、熱中症のリスクが増大するので、はずしても感染リスクを抑えられる環境を作ることが欠かせません。ソーシャルディスタンスがとれる席の配置、透明シートやアクリル板による遮蔽などを導入することで、マスクによる熱中症の発症を予防できます。

■まとめ

新型コロナウイルス感染症による国内の死亡者数はまだ1000人に届きません。一方、熱中症による死亡者数は多い年には1500人を上回ります。

マスク着用により、今夏はさらにリスクが高まると考えられるので、夏の暑さをどうしのぐか、真剣に考えてみることが大切です。

 

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