体内で「ろ過装置」としてはたらいているのが腎臓です。老廃物や余分なミネラル分などを排出して、体内の環境を守る重要な臓器なので、機能不全に陥ると全身のあちこちで深刻な問題が発生します。

近年はこの腎臓のはたらきが慢性的に低下する慢性腎不全の状態に陥る人が増えており、コロナ禍の中で重症化につながる大きなリスクとして、注目されています。

今回はそんな腎臓の健康を維持する方法について解説します。

増える腎不全は悪化すると命に関わる病気

腎臓の機能が低下して、健康を維持するのが難しい状態になると、定期的な透析治療が必要になります。2019年の統計を見ると、国内で慢性的に透析治療を受けている人の数は34.4万人、人口100万人あたりになおすと2731.6人にのぼります。

腎臓はいったん状態が悪化すると、回復が難しい臓器です。また、高齢化に伴って腎不全に陥る割合が高くなるため、国内では近年、透析治療を受ける患者が右肩上がりで増加しています。

1999年に慢性的に透析治療を受けていた患者は19.7万人、人口100万人あたり1556.7人なので、20年のうちに2倍近くまで増えたことになります。

腎機能が低下している「予備軍」はさらに多く、国内で暮らす人の8人に1人が該当する、とも言われます。

特に最近では、コロナ禍の影響を受け、患者数がさらに増加しているのではないか、と懸念する専門家もいます。生活習慣が急変したことで、ストレスを感じる機会が増えたり、運動不足に陥ったりすると、腎臓の機能低下につながるためです。

腎不全はさまざまな病気につながります。高血圧や貧血などを起こしやすくなり、さらに状態が悪化すると、心不全など命に関わる病気を引き起こすこともあります。

もっとも多い原因は糖尿病 高血圧も増えている

腎不全に陥る原因はいくつかありますが、中でも大きな割合を占めるのが糖尿病で、2019年の統計では全体の39.1%を占めています。

腎臓は細かな血管が非常にたくさん詰まっている臓器なので、血糖値が上がり、血管がダメージを受けると、機能障害を起こしやすくなるのです。

さらに近年増えているのが、高血圧によって腎臓内の血管が動脈硬化を起こす「腎硬化症」です。こちらは11.4%ですが、最近どんどん増えているので注意が必要です。

これらのことからわかる通り、腎不全の発症は生活習慣病と重なります。食事や運動、睡眠といった基本的な生活習慣が乱れると、血糖値や血圧が不健康なレベルまで上がってしまい、腎臓を傷つけるようになるのです。

朝食をしっかり 夕食は就寝の2時間以上前に

腎臓を守る生活習慣で、大きな割合を占めるのが食事です。基本的には生活習慣病の対策と同じく、減塩や糖質・カロリーの制限が有効です。食塩の摂取量を減らすことで、高血圧を予防し、糖質・カロリーの制限により、メタボリックシンドロームを予防できます。

たんぱく質は必要ですが、分解されてできる老廃物が腎臓に負担をかけるので、摂りすぎるのはよくありません。特に、腎臓の状態が悪化しつつある人は摂取量を抑える必要があります。

食事の内容に加え、とり方も重要です。金沢大学などの研究者が行った調査によると、不健康とされる食習慣のうち、「朝食抜き」「遅い夕食」の二つが、腎臓の状態悪化につながることがわかっています。

腎臓に問題がない人を3年以上にわたり追跡調査したところ、「朝食抜き」の人では15%、「遅い夕食(就寝の2時間以内の夕食)」では12%も、腎臓の状態が悪化して尿にたんぱく質が検出される割合が高くなっていたのです。

腎臓を守るためには減塩、低カロリー、低タンパク質食を朝からしっかり食べ、夕食は就寝の2時間以上前にすませる食習慣が好ましいのです。

原子状水素の摂取で腎臓の状態が改善

回復が難しい腎臓ですが、原子状水素には状態を改善するはたらきがあることがわかっています。セイシェル島の透析病院で慢性腎不全患者の治療を行っていたキショール医師により、この効果は確認されました。

同医師がとったデータによると、透析治療を受ける患者に原子状水素を含む水蒸気を発生させる医療機器――Suisoniaを利用させたところ、血圧や貧血など腎不全に伴う病気が大きく改善された、とのことです。

原子状水素には抗炎症効果に加え、血管内皮細胞の状態を改善して、血管を若返らせる作用があります。

前述の通り、腎臓は大量の血管が集まっている臓器なので、血管の状態が改善されたことで、機能が改善されたのではないか、と考えられます。

まとめ

慢性腎不全は患者にとって負担の大きな病気です。現状では劇的な治療方法は存在せず、医療にできるのは悪化を遅くすることくらいです。

ただし、悪化する前にそれぞれの人が生活習慣を改善すれば、医療に頼る必要はなくなります。食事と原子状水素という二本柱に大きな効果があることがわかっているので、気になる方はぜひ、情報を集めてみてください。

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