公共の場で咳をしたら周りから冷たい視線を浴びた――コロナ禍が続く中、そんな経験をしたことがある人は少なくないと思います。視線だけならまだしも、厳しい言葉を浴びせられるなど、思わぬトラブルの原因になることも。

そんな咳トラブルを避けるために知っておきたいことを今回はまとめてみました。

■外出が恐い! 咳をしただけでトラブル

国内では冬になると空気が冷え込み乾燥することから、咳をする人が増えます。コロナ禍の前まで、咳をすることで白眼視されるケースはあまり見られませんでした。

マスクを着けていたり手で鼻と口を覆ったり、といったエチケットが守られていれば、特に問題のある行為とは見なされていなかったのです。

ところが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延を受けて、そんな事情は一変しています。たとえばイギリスでは「脅迫目的で咳をするのは犯罪」と見なす可能性がある、と検察が警告しており、「咳=暴力行為」という認識が広がっているのです。

国内でも咳をすることは周囲の人を危険にさらす行為だと感じる人が増えており、電車内などでトラブルに発展するケースが報告されています。無用の衝突を避けるためには咳に対してこれまでにない配慮が必要になっている、と考えるべきでしょう。

■なぜ止められない? 止めない方がいい?

もともと咳は異物を排出するための生理的反応です。胃酸で守られている消化器系とは異なり、呼吸器系は病原体への防御が脆弱です。そのため、異物が気管支や肺に届かないよう排出する仕組みとして、人体には咳反射が備わっています。

咳反射のきっかけとなるのは咽頭や気管、気管支などの細胞による異物の感知です。異物を知覚した細胞からは「呼吸器系に入れてはいけないものが入ってきた」という信号が咳中枢に送られ、即座に咳反射が起きます。

このように、咳は「行動」ではなく「反射」なので、止めるのは簡単ではありません。頑張ればある程度抑え込むことはできますが、無理に抑制すべきではない、とも言われます。

異物を排出しなければ、気管支炎や肺炎など、呼吸器系において重篤な病気を発症することがあり得るからです。

■正しい咳エチケットをおさらいしておこう

咳が出ることを織り込んだ上で安全に外出するためにはエチケットの確認が有効です。COVID-19が世界に広まって1年あまりがたち、その性質が明らかになってきたので、咳エチケットについてもアップデートが進んでいます。

咳エチケットでもっとも大切なのは万が一、自身が新型コロナウイルスを持っていた場合にもなるべく拡散しない配慮です。ですからマスクの着用はもちろん、使用するマスクの種類についても正しく選ぶ必要があります。

ウイルスを遮断する効果がもっとも高いのは医療用として使用されているN95マスクですが、一般の人がこれを使用すると、品不足になってしまうので現実的な選択肢とは言えません。

スーパーコンピューター、富岳によるシミュレーションでは不織布のマスクでもすき間なく装着できれば、飛沫の拡散を高い割合で防げることがわかっています。一方、布マスクだと細かな飛沫が漏れてしまうこともわかっているので、基本的には不織布のマスクを使うのがよいでしょう。

鼻までしっかり覆い、咳をする際にズレないよう気をつけることで、飛沫の拡散を抑えられます。

■咳の予防には加湿・加温とあれの抑制

マスクを着用していても、なるべく咳をするのは避けたいところでしょう。前述のように、異物による刺激が咳の原因であり、冬になると空気が乾燥し冷たくなることから、気道の細胞は過敏になりがちです。

ですから、咳の予防には加湿と加温が有効。この2つを実現するもっとも簡単な方法は実はマスクの装着です。呼気の温度と湿気がマスクないにとどまるので、自然に加湿・加温された空気を吸い込むことができます。また、マフラーなどで喉を温めることも咳対策には有効です。

さらにもう一つ、咳の対策として取り組みたいのがアレルギーの抑制です。これからの季節は花粉やPM2.5、黄砂などが空気中に大量に漂います。そういった物質に対するアレルギー反応により、咳が出てしまうケースも少なくありません。

アレルギー反応で細胞が傷つき炎症が起きてしまうと、刺激に対する感度が高まるため、咳が出やすくなるのです。アレルギー反応には活性酸素が大きく関わっているので、免疫を調節し活性酸素を抑制することで、咳を抑えることができます。

■まとめ

咳の予防は万が一、自分自身がCOVID-19の感染源になってしまうのを防ぐのに加え、他人とのトラブルを避ける意味でも意味のある取り組みです。

咳が気になって外出しにくい、という人は咳の原因を理解した上で、今回紹介したような対策を講じるのがおすすめです。

Categories:

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です