コラム

人が幸福を感じるためには社会への参加が欠かせません。地域や職場、家族の一員として役割を担うことができれば、自身の価値を認識して幸せだと認識できます。

そのカギとなるのが離床時間――横臥していない時間です。見過ごされがちですが、高齢者の健康状態を評価する上で非常に重要なポイントです。

■加齢や障害で短くなる離床時間

離床時間とは寝床を離れている時間のことで、ベッドの中で上体を起こしている時間もこれに含まれます。

1日24時間のうち、6時間を睡眠にあてると、残りは18時間です。働いて生活を維持している現役世代では、離床時間がこれより多いケースも少なくありません。

その一方、高齢になると離床時間は短くなりがちです。体力が低下するため、起きているのが難しくなるのに加え、病気や障害を抱えるようになると、ベッドで身体を休める時間が長くなるのです。

特に、要介護状態になった人の中には自力ではベッドから起き上がったり歩いたりするのが困難な人が少なくありません。介助があれば離床できる人の場合、「トイレに行く」「食事をする」などの目的に応じてベッドから起き上がるのが一般的です。

離床時間を延ばすことを目的とするケースはまだまだ少ないため、介護する人が「休ませておこう」と考え、あえて起こさないことも多く、そうなるとますます起きている時間が短くなります。

■離床時間は心身の健康と直結する

 横臥している時間が長いと、心身の健康が少しずつ損なわれていきます。一般によく知られているのが褥瘡や拘縮といった問題です。

寝ている時間が長くなると、体重により圧迫された部位の血流が悪くなることで細胞が傷つき、ひどくなると壊死するのが褥瘡。

身体を動かさないことで関節の可動域が小さくなり、必要な動作がしにくくなるのが拘縮。いずれも起きて動く時間が長くなれば、予防できる障害です。

離床時間の減少はその他にも、起立性低血圧や嚥下障害、情動や意欲の低下、認知症など離床時間の減少はさまざまな問題をもたらします。

起きている時間が短くなることで、動作に伴う血圧のコントロールができなくなったり、食べ物を飲み込む能力が低下したりするのです。さらには社会との関係が薄れて精神的な刺激が減るため、気力や脳の機能が低下します。

■社会参加がなくなると幸福度が低下する

このように、起きている時間は心身の健康と密接に関係していますが、いったん離床時間が短くなりはじめると、本人も家族も「無理をする必要はない」と考えがちです。「寝たいだけ寝る」のを止める理由はない、と考えるのです。

しかしながら、離床時間は健康状態だけでなくADL(日常生活動作)とも密接に関係します。離床時間が短くなると、食事や移動、更衣、排泄、整容、入浴といった自立して生活するために必要な動作を賄う能力が急速に失われていくのです。

ADLは幸福度につながります。ADLが低下すると、食べたいものを食べたり行きたいところに行ったり、という自由が大幅に制限されるのに加え、社会に参加する機会が失われるからです。

人が幸福であるためには社会への参加が不可欠とされています。家の外にいる人たちはもちろん、家族との関係において一定の役割を果たすことも社会への参加です。

ADLを自分で賄えないと、社会参加が難しくなります。単に「生かされているだけ」と感じることが増え、幸福度が大きく低下してしまうのです。

■リハビリと水素で離床時間を延ばす

離床時間を延ばすカギは適切なリハビリにあります。最近では病院でも入院患者の離床時間を計測して、なるべく長く延ばせるよう、リハビリテーションにおける目標の一つに掲げるケースも見られます。

病気や障害によりいったん低下した能力を適切なリハビリによって回復することで、離床時間を延ばすことができるのです。

理学療法士などの専門家によるリハビリテーションが有効ですが、介護を担っている人などの家族が意識することでも離床時間は延ばせます。医師等と相談しながら、日中に起きている時間を増やしていくのがおすすめです。

ベッドにいるとしても、横臥するのではなく上体を起こして座る時間を増やすことで、健康によい影響を与えられます。

離床時間が6時間、あるいは10時間を下回るとADLの低下につながりやすい、という研究結果もあるため、最低でも6時間、できれば10時間以上とするのがよいでしょう。

原子状水素の吸入もその助けになると考えられます。離床時間を延ばす上で、大きなカギになるのは本人の意欲です。幸福度が低下し気力が失われると、「わざわざ起きているのは面倒」と感じがちです。

原子状水素を吸入した人の多くが「気持ちが前向きになる」「気力が充実する」などの効果を報告しています。理由はまだ定かではありませんが、脳内のATP産生が促進されるためではないか、と考えられます。

離床時間が短くなってしまった高齢者や障がい者についても、同様の効果により、起きていようとする気力の増大が期待できます。

■まとめ

人生の終末期を健康かつ幸福に過ごすためには離床時間を延ばす必要があります。本人や家族などがその意識を共有できれば、日常の過ごし方やリハビリテーションなどにより、離床時間の延長は可能です。

原子状水素はその一助になり得るアイテムであり、利用を試してみる価値が大きいアイテムだと言えます。

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