コラム

水素の吸入にはさまざまな健康効果がありますが、中でも注目されているものの一つが呼吸器の病気に対するはたらきです。このほど、中国で行われた臨床実験ではCOPDおよびぜん息の患者について、suisoniaの使用により状態が改善されることが判明しました。

■治療が難しい呼吸器の疾患

人は呼吸により酸素を取り入れ、二酸化炭素を体外に排出することで、体内のエネルギー代謝を賄っています。ですから、呼吸器に問題が発生すると、命に関わる状態に陥ってしまうことが少なくありません。

そんな問題を引き起こす病気はいくつかありますが、中でも多いのがぜん息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。

《ぜん息》

ぜん息は呼気の通り道である気道に慢性的な炎症が起きることで発症します。なんらかの刺激に反応して炎症をくり返すと、ちょっとした刺激に対しても反応しやすくなってしまいます。

さらに、そうやって慢性的に炎症を起こすことで、気道の壁が厚くなり、呼気の通り道が狭くなってしまうのです。気道が狭まると、息をしにくくなり、命を落とすこともあります。

国内では1995年には7253人がぜん息で死亡していました。治療法の進歩により、死亡者数は年々減少し続けていますが、2017年でも1794人の人が亡くなっています。

成人になってから発症するぜん息は特に治療が難しいと言われており、炎症や発作を減らす「管理」が主な治療です。症状がないときも薬を使い続けなければならないケースが多く、副作用等のリスクをともないます。

《COPD》

COPDは呼吸により有害な物質を取り込み続けることで、気道や肺がダメージを受ける病気です。汚染された空気を吸い込むと、気道や肺では炎症が起きます。その結果、気道が狭くなったり、肺の中でガス交換をする「肺胞」と呼ばれる部位が壊れたりします。

無症状の人も多いのですが、重症化すると十分な酸素を体内に取り入れられなくなるため、少し動いただけで息が切れるようになります。町中で、酸素ボンベを載せたカートを引いて歩いている高齢者をしばしば見かけますが、彼らの多くはCOPDの患者です。

国内では喫煙がもっとも大きな原因ですが、中国では大気汚染によるCOPDが大きな問題となっています。

肺胞はいったん壊れてしまうと、もとの状態には戻せません。そのため、重症化してしまった場合には、ボンベからの酸素吸入を24時間必要とするなど、生活に大きな支障をきたすことになります。

■中国でぜん息・COPD患者にsuisoniaを

そんなぜん息やCOPDに患者にsuisoniaを吸入させて効果を調べる実験が2019年3月~6月、中国の北京ユニオン医科大学病院で行われました。対象となったのはぜん息患者10名とCOPD患者10名です。

※Hydrogen gas (XEN) inhalation ameliorates airway inflammation in asthma and
COPD patientsより

suisoniaを45分間吸入させて、炎症に関係する体内物質の変化を調べたところ、ぜん息患者とCOPD患者の両方で、MCP1と呼ばれる物質が減少することがわかりました。また、ぜん息の患者では他にも、IL-8と呼ばれる炎症関連物質が減少しており、炎症を抑えるsuisoniaのはたらきが確認されています。

こういった結果から、研究者は「ぜん息およびCOPD患者の気道炎症に対して、suisoniaには治療効果があるものと推測しています。今後、さらなる検証が必要ですが、治療の難しい病気を抱える人たちに大きな期待をもたらす結果だと言えます。

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