熱中症による脳障害の予防に水素が効く可能性について

Medical Life Science Laboratory

扱いに注意を要する情報ですが、熱中症と思われる症状を発症した患者に水素ガスを吸入させたところ、短時間で症状の改善が見られた、という話を聞きました。

水素ガスは熱中症に効くのか? その可能性について考察してみたいと思います。

■suisoniaの吸入で熱中症と思われる症状が改善した可能性

私が得ている情報は以下の通りです。

・熱中症を起こしたのは小学校高学年の男児。

・所属しているハンドボールチームの練習中、気分が悪いと言って倒れた。

・みるみる顔面が蒼白になるのを見て、その場にいた親や監督が救急車を呼ぼうとした。

・大人たちの1人が偶然、その場にあったsuisoniaの使用を思いつき、深く考えることもなく男児に吸入させた。

・数分後には男児の顔色がもどり、20分後には試合に出る、と言い出した。

その場に医学的な診断を下せる医師がいなかったことから、上記の情報を持ってsuisoniaが熱中症の改善に役立った、とは断言できません。

ただ、そう見える現象が起きたのは事実であり、水素により熱中症が改善される可能性には研究してみる価値があると言えそうです。

■熱中症の重症化には遺伝子タイプが関係している

熱中症は高温の環境などが原因で体温が上がりすぎ、コントロールできなくなる疾患です。体温が上がり続けることで、脳や腎臓など、重要な臓器がダメージを受けるため、最悪の場合には死にいたります。

そんな熱中症ですが、実は重症化に影響する遺伝子タイプがあることがわかっています。「熱中症重篤化遺伝子(CPT2)」と呼ばれるもので、この遺伝子タイプを持つ人は、脂肪からATPを産生するのに必要なCPTⅡという酵素の性質に特徴があります。

CPT2遺伝子を持つ人のCPTⅡ酵素は他の人に比べて熱に弱く、体温40℃以上の高熱が続くと、機能が低下します。そのため、熱中症はもちろん、インフルエンザなどによって高熱を発したときも、ATPの産生が低下します。

ATPは人のあらゆる活動に必要なエネルギーなので、その産生が減ると、さまざまな問題が発生します。その一つが血管内皮細胞の機能低下です。血管内皮細胞の中でも、特に脳血管の内皮細胞はATPを大量に消費することが知られています。

ATPが不足すると、脳の血管内皮細胞が機能低下を引き起こすことで、通常は適切にコントロールしている水分の透過量が異常に増えてしまいます。その結果、脳が水ぶくれ状態(浮腫)になってしまい、深刻なダメージを受けることがあります。

■水素にはATPの産生を促すはたらきがある

水素にはATPの産生を促すはたらきがあることが、九州保健福祉大学の副学長、池脇教授の研究で明らかになっています。

これは仮説に過ぎませんが、熱によってATPの産生が抑えられている状況において、水素を摂取すれば、ATPの産生を促すことができるかもしれません。

その結果、血管内皮細胞の機能低下を防ぎ、脳浮腫を予防あるいは改善できれば、熱中症が重篤化するのを予防したり症状を改善したりするに役立つと考えられます。

■血管内皮細胞の状態改善効果も期待できる

このサイトでも解説してきましたが、suisoniaには血管内皮細胞の状態を改善する効果があることもわかっています。

前述したとおり、熱中症を発症すると、ATPの不足により、血管内皮細胞が損傷することがありますが、水素を吸入すれば、血管のダメージを軽減できるかもしれません。

■まとめ

水素に熱中症の改善効果があるかどうかは不明です。最初に紹介した男児が回復したのは、本人が持つ回復力のおかげかもしれません。

ただ、理論上は水素が熱中症の改善に役立つ可能性がある、と考えることは可能でしょう。すでに海外では呼吸器や腎臓など、さまざまな臓器の状態改善に役立つという研究結果が発表されています。

熱中症についても、今後、本格的な研究が待たれるところです。

 

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