コラム

ようやく第5波が収束し、一息ついた感のある新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、国内で確認された感染者数は累積で170万人あまりにのぼります。うち、死亡した人は1万8000人程度で、幸いなことに多くの人は回復しています。

ただ、急性期の症状がなくなった後、さまざまな後遺症に苦しむ人が増えています。特に、「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれる症状を訴える人が多く、新たな問題になりつつあります。

■COVID-19患者は無症状でも3割に後遺症

「COVID-19は風邪と同じ」などと言う人がいますが、実際にはさまざまな違いがあります。重症化する割合や死亡率が大きく異なる上、脱毛や神経障害などの後遺症を発症する人が多いことはCOVID-19ならではの特徴と言えます。

カリフォルニア大学(アメリカ)の研究者は電子カルテのデータをもとに、無症状の患者において32%が後遺症を発症した、と報告。ローマ大学(イタリア)の研究者は入院した患者の9割が発症から2か月経過した時点で、なんらかの後遺症を訴えた、と発表しています。

後遺症の症状は多様で、咳や呼吸困難といった呼吸系のトラブル、味覚・嗅覚障害、さらには倦怠感や記憶力、思考力の低減などが含まれます。

また、頭にもやがかかったかのように集中できず、記憶力や思考力、気力が減退するブレインフォグを訴える人も少なくありません。

■仕事ができない 勉強ができない 治療法不明

ブレインフォグはその名の通り、霧がかかったかのように、脳の活動が低下する障害です。脳は現代人の生活に欠かせない機能を司る臓器です。気力や気分、思考力、記憶力など、生活のベースとなるはたらきの多くは、脳が正常に機能するからこそ維持されているのです。

もし、脳の機能が低下したら、まともに仕事をすることは難しくなります。毎朝起床して出勤する気力が沸かず、職場にいても集中力や思考力が低下した状態では、必要とされるパフォーマンスを発揮するのは不可能でしょう。

若年層や子供の場合には、学習に大きな支障が現れます。授業に集中できず、新たに習ったことを記憶できない状態が続けば、成績が大きく低下しかねません。気力が低下すれば、不登校や落第も考えられます。

ブレインフォグは生活に大きな障害をもたらす病気ですが、残念ながら治療法は確立されていません。COVID-19が脳に障害をもたらす原因がよくわかっていないため、現状では対症療法しかできないのです。

■考えられる原因は主に3つ

ただ、研究が急ピッチで進められる中、COVID-19によりブレインフォグが発生する原因が少しずつですが解明されつつあります。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が持つ3つの作用が脳に影響を与えるようです。

①血液脊髄液関門の破壊

脳に酸素や栄養を届ける血管には血液脊髄液関門という特殊な関所があるため、通常はウイルス等の感染を抑えることができます。ところが、この関所の役割をする脈絡叢という部位の細胞にはSARS-CoV-2が感染する際の足がかりとなるACE2と呼ばれる受容体が存在します。

そのため、COVID-19になると、ウイルスによって血液脊髄液関門が破壊されてしまい、脳の中にあるアストロサイトなどの細胞に感染が広がってしまいます。アストロサイトは脳の神経細胞に栄養を与えたり、不要な神経伝達物質を排除したりする役割を担っているため、感染により破壊されると、脳の機能が低下すると考えられます。

②自己免疫による障害

SARS-CoV-2に感染すると、自己免疫の暴走がしばしば発生します。脳内においても、自己免疫を担う細胞が本来の攻撃対象ではない神経細胞を破壊するようになることで、さまざまな障害が発生している可能性が指摘されています。

COVID-19患者を調べたところ、自身の神経細胞を攻撃対象とする抗体の産生が確認されており、ウイルスによる細胞の傷害よりも、患者自身の抗体による細胞の破壊がより大きな害をもたらしている、との指摘があります。

③脳血管の収縮

脳内を血液がスムーズに流れるためには、多様な細胞が複雑に連携しています。その中でも大きな役割を担う周皮細胞にはSARS-CoV-2感染の足がかりとなるACE2が存在するため、COVID-19になると、傷害されることがあります。

その結果、脳内の血流が滞り、微少な梗塞があちこちで起きることで、脳機能が低下しているのではないか、と考えられています。

■AFH(活性状態の水素)が後遺症軽減の切り札に?

ブレインフォグに対する効果的な治療法が見つからない中、AFH(Active Formed Hydrogen)の有効性が検討されています。AFHは水分子に包まれることで、活性状態のまま安定している水素であり、一般的な水素に比べて化学的な活性度が高い物質です。

これまで、免疫の強化や免疫の調節、血流の改善といった効果が確認されています。前述したブレインフォグの原因に帯して、有効に作用する可能性が高く、後遺症対策の切り札として期待されています。

■まとめ

感染症によるブレインフォグはこれまで人類がほとんど経験したことのない特殊な傷害です。発症すると、日常生活に大きなダメージを生じますが、現状では治療法が見つかっていません。

AFHの効果もまだ研究の途上ですが、少なくとも副反応はまったく報告されていないので、関心がある方は利用を検討してみるとよいでしょう。

なお、筆者が知る限り、AFHを生み出せるのは現状では世界でもSuisonia株式会社が提供する水素発生器Suisoniaだけです。

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