コロナ禍により生活が激変する中、健康に影響するリスクも変化しています。国立感染症研究所はこのたび、国内で亡くなった方の死因に関する分析結果を発表しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により働き方や暮らし方が変わった結果、健康にどんな影響が現れているのか――分析結果を読み解くことで、健やかに暮らすために気をつけるべきことが見えてきます。

■自粛生活で変化した日本人の死因

近年、日本人の死因において上位を占めるのは、悪性新生物(がん)、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎などとなっています。社会の変化により死因ごとの死亡者数が増減することもあるため、毎年の超過・過小死亡者数を確認することで、健康上のリスクを読み取ることができます。

超過・過小死亡数は例年の実績から予測される死亡数と実際の死亡数との差により表されます。大まかに言うと、実際の死亡数と予測との差が大きい場合にはなんらかの要因がはたらいた、と認識して原因を探すのがこの指数の利用法です。

もともとはインフルエンザの流行による影響を評価するために考案されたもので、持病との関係や感染予防策がもたらす副次的な効果なども読み取ることができます。

また、気候や生活習慣が異なる地域や国別の評価もできるため、感染症の影響を避けるためのさまざまなヒントにもなります。今回、国立感染症研究所が発表したデータにはコロナ禍における生活習慣の変化が健康におよぼす影響が明確に現れています。

■コロナ禍で日本の死亡者数は増えたのか?

医療資源のひっ迫やCOVID-19による死亡者について、マスコミが声高に報じた2020年でしたが、国内の死者数は前年を1万人弱下回りました。高齢化が進む中、近年は毎年2万人ずつ死亡者が増えていたため、約3万人も死亡者が減ったことになります。

詳しくは後述しますが、日本では2020年にCOVID-19で3414人の方が亡くなっていますが、コロナ禍で生活様式が変化したことにより、死亡を免れた人の方がはるかに多かったのです。

一部には死亡者が減ったという事実を根拠に「COVID-19は危険な病気ではない」などと言う人も見られますが、そうではありません。COVID-19対策がインフルエンザや風邪、肺炎などの疾患予防につながったことで、日本では年間の死者数が減少したのです。

ただ、COVID-19の影響は国によって大きく異なります。アメリカではCOVID-19による死亡率が大幅に上昇した時期には例年を大きく上回る超過死亡が発生しました。

州により事情が違いますが、COVID-19による死亡者が増えたのに加え、医療機関の受診を控える人が増えたことや円滑な救急搬送ができなくなったことなどにより死亡者が増えたケースもある、と分析されています。

日本でも医療崩壊が起きれば、死亡者数が急増することが十分考えられます。

■呼吸器・循環器には好影響

死因別で見ると、呼吸器系疾患で亡くなる人が2020年は大幅に減少しています。背景にあるのはCOVID-19予防策の徹底でしょう。インフルエンザや風邪など、呼吸器疾患の多くはCOVID-19と同じく飛沫感染や接触感染、空気感染により広がります。

2020年はCOVID-19対策としてマスクの着用や手洗いの励行、三密の回避といった策がとられたことで、呼吸器感染症が大幅に減少したのです。実際、例年は1000万人前後にのぼるインフルエンザの患者数がおよそ1000分の1にとどまったと報告されました。

その結果、インフルエンザや風邪がきっかけで発症する肺炎なども大幅に減少しており、呼吸器疾患で亡くなる人が2020年は著しく減ったものと考えられます。

■リスクが増大しているココロの問題

一方、超過死の分析からリスクの増大が明らかになったのが自殺です。国別の事情を見ると、我が国は世界屈指の「自殺大国」であり、2003年には過去最多の3万4427人が自ら命を絶ちました。

官民あげてさまざまな対策を講じてきた結果、近年は11年連続で自殺者数が減少。2019年にはピーク時の2/3程度まで減りましたが、2020年には増加に転じ、2万919人となっています。

自殺は死因の中でも上位に入ることがあり、年度によってはトップ10にランクされます。そんな自殺による死亡者数が2020年にはやはり予測数を大きく上回ったと報告されたのは、長引くコロナ禍により精神的なストレスを抱える人が急増した結果だと思われます。

自殺者の70~90%はうつなど死にいたる精神的な問題を抱えている、と言われます。コロナ禍で生活様式が変わったことや感染に対する不安により、心の問題を訴える人が増えています。

 大まかに言うと、コロナ禍は呼吸器疾患を減らした一方で自殺者を増やしてしまったのです。

■カギはココロの風邪の積極的な予防

ストレスや悩みを抱えている人のうち、自殺にいたるのはごく少数です。通常は強い生存本能がブレーキとなるため、一時的に「死にたい」と思ったとしても、実行に移すケースは少ないのです。

ブレーキが利かずに命を絶ってしまう人の多くは前述したように、すでに心を病んでいる、と言われます。いわゆるうつ状態やうつ病になると、ブレーキが利きにくくなってしまうのです。

うつを回避するためには心身の状態を常に意識して、早め早めに予防的な行動をとる必要があります。うつに傾向に陥ると対策を講じるのが難しくなるため、平時から積極的にストレスの回避や解消につながる行動を心がけることが大切なのです。

「気晴らしに○○をする」のももちろん有効ですが、「気晴らしが必要になる前に○○をする」よう習慣づけておけば、自殺につながるリスクを芽のうちにつむことができます。

具体的には「家族や友人と話す機会を増やす(テレビ会議システムなどを使用すれば安全)」「趣味などの楽しみを積極的に探す」といった活動を意識的に心がけることで、うつを回避しやすくなります。

精神的な対策だけでなく、身体的な健康の維持も大切です。これまで何度か解説してきましたが、体内の炎症がうつにつながることが、最近の研究で明らかになってきました。炎症性サイトカインが増加すると、脳をうつの状態に導くことがあるため、注意が必要です。

■まとめ

超過死・過小死の分析から見えてきたのは、長引くコロナ禍が人の心に大きなダメージを与えている実態でした。早め早めの積極的な対策が求められる中、水素の吸入には一定の効果が期待できます。

Suisoniaについてはこれまでも、気分の高揚やストレス軽減といった効果が報告されています。また、抗炎症作用についても論文化されているので、心のリスクを予防するために、積極的に利用したいアイテムの一つと言えそうです。

Categories: