緊急事態宣言が出されている中、人出があまり減っていない、とも報じられています。若年層は感染しても重症化しにくいため、外出を控えるモチベーションが小さいものと見られます。

ただ、新型コロナウイルス感染症には後遺障害という問題があるので、そのリスクについては理解しておいた方がいいでしょう。

■重症化しなくても長く苦しむ危険性

社会的な影響力を持つ人の中に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はただの風邪だ、と言う人がいます。少し紛らわしいのですが、コロナウイルスというのはウイルスの特徴を示す名称であり、類似のウイルスが他にもいくつか見つかっています。

その中にはヒトに感染して風邪症状を起こすものが4種類ありますが、いずれも重症化するケースは稀です。それらのコロナとCOVID-19には重症化率や死亡率が異なるのに加え、高い確率で後遺障害が発生する、という違いもあります。

かなり長く残るケースも報告されており、ウイルスが体内から消えた後も、仕事や学校に行けないなど、生活に支障をきたすことも少なくありません。

イタリアで行われた調査によると、COVID-19感染により入院した人に対して、退院2か月後に聞き取りを行ったところ、症状が消えていた人は12.6%しかいなかった、とのことです。

倦怠感や息切れ、関節炎など複数の後遺症により生活の質が低下した、と多くの人が報告しており、後遺障害の厳しさがうかがえます。

■入院すると8割弱 若年層でも後遺症

COVID-19についてはさまざまな数字が明らかになりつつあります。たとえば、国内における死亡率は1.4%程度です。インフルエンザは0.1%程度とされているので、10倍以上高いことがわかります。

その一方、感染しても症状が出ない人も多く、PCR検査で陽性と判定された人のうち、4割程度は無症状です。特に、若年層では症状が出ない人が多いことで、年齢により危機感に大きな違いが現れているものと考えられます。

ただし、感染者において後遺障害が発生する割合はかなり高めです。中国の武漢市で行われたコホート調査によると、COVID-19により入院治療を受けた患者約1733人を6か月間追跡調査したところ、76%に後遺障害が見られたそうです。

若年層においても後遺症は発症します。国内で後遺症に対する治療を行っている「ヒラハタクリニック」では受診した患者の47%が10~30代だったと発表しています。

重症化や死亡のリスクがかなり低い若年層も後遺症については大きな優位性がない、と考えるべきでしょう。

■味覚障害だけじゃない! 筋力低下や脱毛も

COVID-19の後遺症は非常に多様です。もっとも多いのは倦怠感や筋力低下で、前述した中国の調査では63%もの人がこの障害を訴えています。次いで多いのが睡眠障害の26%ですが、脱毛を経験する人も多く、22%にものぼります。

脱毛については性別に関係なく発症するので、容姿が特に気になりがちな若い女性の場合には精神的にもかなり深刻な問題になりかねません。

重要な臓器にダメージが残るケースも報告されています。もともと呼吸器の症状が出やすい病気なので、ウイルスが体内からいなくなった後も、息苦しさ等の呼吸障害を訴える人が少なくありません。

その他、心臓や腎臓など、いったんダメージを受けると回復しにくい臓器に障害がのこることがあり、そうなると一生涯、医療的なケアが必要になります。

■気分障害など精神的な問題を抱える人も

後遺症の中には身体的な問題だけでなく精神的なものも少なくない、と報告されています。前述のヒラハタクリニックを訪れた患者のうち、86%の人が「気分の落ち込み」を83%の人が思考力の低下を訴えたと言います。

COVID-19に感染したという事実や隔離生活などが原因になっていることも考えられますが、これだけ数が多い状況からは、脳になんらかの障害が発生している可能性も考える必要がありそうです。

たとえば、うつ病と炎症には強い相関関係があります。COVID-19を発症した人の多くが全身のあちこちに炎症を起こすことが知られています。COVID-19により脳内で分泌される神経伝達物質のバランスが崩れれば、気分障害等の後遺症につながることはあり得ます。

■まとめ

後遺症が長く続くケースがかなり多いにもかかわらず、原因や治療法、いつまで続くのかなどについてはまだ、ほとんどわかっていません。人によっては一生もののハンデを背負ってしまうこともあるので、有効な対策が待たれるところです。

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