日本では長く白米が主食とされてきました。カロリーの摂取という面では優れた食品ですが、栄養面では偏りが大きいため、最近ではさらに栄養バランスのいい雑穀に注目が集まっています。

中でもアマランサスはキヌアと共に栄養価が高く、女性の健康トラブルを抑える効果が期待されているので、日常の食事に取り入れたい食材の一つです。

■江戸時代に上陸 和名は「赤粟(あかあわ)」

アマランサスの原産地は南米。栄養分に優れているため、インカ帝国では盛んに栽培され食用として利用されていました。その後、ヨーロッパに渡り、日本には江戸時代にもたらされたと言われます。

ただ、その当時は食用ではなく観賞用としての利用が主でした。ヒユ科のアマランサスにはキレイな赤い花が咲くので、それを愛でる目的で栽培されたのです。

早くから食用として利用していたのは東北地方のごく一部だけでした。種子が粟に似ていることから「赤粟」と呼ばれていたそうです。

そんなアマランサスですが、最近では栄養価に優れたスーパーフードとして世界的に注目を集めており、WHO(世界保健機関)も「未来の食物」としてとりあげています。

■グルテンフリーでアレルギーなし

アマランサスの特長は、米や小麦などの穀物と違ってグルテンを含まないこと。グルテンは穀物等に含まれるたんぱく質で、健康に与える影響については医学的な見解が分かれています。

なるべく摂取しないことで健康を保ちやすい、とする説がある一方、グルテンに反応する自己免疫性(セリアック症)の患者以外は食べても問題ない、とする説もあり、どちらが正しいのか、は現在もまだ議論が続いています。

ただ、健康問題につながるリスクがあるなら避けたい、と考えるのは不自然な選択ではありません。その場合にはグルテンを含まないアマランサスを代用食として利用できます。

また、アマランサスにアレルギーを持つ人はほとんどいないため、小麦等の代用食として使うことも可能です。

■女性のホルモンバランスを調整

季節の変わり目に体調を崩す人は少なくありません。特に女性の場合には、気候の変化によるストレスからホルモンバランスを崩しやすいため、注意が必要です。

体調に影響しやすいホルモンにはエストロゲンやプロゲステロンなどがありますが、年齢を重ねると、さまざまな要因により不足しやすくなります。

いったん崩れてしまったホルモンバランスをもとに戻すのはたいへんなので、季節の変わり目には特に、予防を心がけたいところです。身体を温めたり、適切な睡眠や運動を心がけたり、といった対策に加え、栄養バランスも大切。

たとえば、亜鉛はエストロゲンやプロゲステロンの分泌を促すよう、脳下垂体にはたらきかける大切な栄養素です。加齢により少なくなりがちな女性ホルモンの分泌を補うためには亜鉛をしっかり取る必要があります。

ホルモン異常につながりやすいストレスを抑えるためにも栄養バランスは重要です。中枢神経のはたらきを安定化させるビタミンB6や脳の過剰な興奮を抑えるカルシウムを十分に摂取すれば、脳をストレスに強い状態に保つことができます。

アマランサスにはこういった成分がたっぷり含まれているので、季節の変わり目に体調を崩しがちな人にとって、頼りになる食材なのです。

■貧血予防にもアマランサス

女性に多い悩みの一つに貧血があります。生理による出血で、毎月40㎎の鉄分を失うのに加え、ダイエットによる栄養不足などから、ヘモグロビンの材料となる鉄が足りなくなる傾向があるため、貧血を訴える人が少なくないのです。

なんとか食事を工夫して鉄分をとりたいところですが、鉄分は食品からの吸収率が低いので、十分な量を賄うためにはレバーやほうれん草などを大量に食べる必要があります。

また、サプリメントによる摂取には副作用のリスクがあります。鉄分のサプリは胃腸障害につながることがあるため、使い続けるのはさけたいところです。

そんな「鉄不足」の問題を解決してくれるのがアマランサスです。鉄分の含有量は白米の10倍、ほうれん草とくらべても4.5倍と豊富。ご飯に混ぜて大量に食べやすいので、貧血解消にもってこいです。

■まとめ

アマランサスはご飯に混ぜて炊くのが一般的。米2合に対して、大さじ3杯程度入れるだけで、ご飯の栄養価が大幅にアップします。ゴマくらいの小さな穀物なので、そのくらいの割合であれば、白米のご飯とそれほど大きな味の違いはありません。

季節の変わり目で体調が気になる方は、一度試してみてはいかがでしょう?

Categories: