コラム

年末年始は寒さが厳しくなるのに加え、忘年会や新年会でついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしがち。なにかと体調を崩しやすい時期なので、せめてそんな時期の健康を守ってくれる食材を積極的に食べたいところ。

冬に旬を迎えるブロッコリーはそんな健康にいい食材の一つです。今回はそんなブロッコリーの健康効果や選び方、栄養を損なわない保存方法などについて解説します。

■原産地は欧州 胃腸に優しい万能食材

ブロッコリーはキャベツや菜の花などと同じアブラナ科の植物で、原産地は地中海の沿岸地域。食材として主に利用されているツブツブの部分は花蕾と呼ばれるつぼみの部分です。

スーパーなどでは年中店頭に並んでいますが、日本における旬は11~3月頃。寒い時期ほど美味しく、栄養価が高くなります。

味にクセがないため、さまざまな料理に利用されています。和食ではごま和え、中華では炒め物、洋食ではグラタンの具など、多くの料理に合うので、使いやすい食材です。

胃腸に優しいのもブロッコリーのいいところ。胃酸の分泌を抑えたり粘膜の修復を助けたりするはたらきがあるので、年末年始の宴会で食欲がないときには、「とりあえずブロッコリーだけ食べてみる」というのもありです。

■ビタミンCとカロテンが風邪やがんの予防に効く

栄養価にすぐれたブロッコリーはビタミン類の宝庫です。特に抗酸化作用の強いビタミンCやβカロテンが多く含まれています。ビタミンCはレモンの約2.5倍、βカロテンはかぼちゃとほぼ同じという多さです。

ビタミンCやβカロテンには免疫力を高めるはたらきがあります。まだまだ心配な新型コロナウイルス感染症に加え、冬期には風邪やインフルエンザ、ノロウイルス感染症などが例年流行するので、冬に旬を迎えて栄養価が高くなるブロッコリーはぜひとも利用したい食材の一つです。

抗酸化力が高いビタミンCやβカロテンはがんの予防にも有効です。体内で発生した活性酸素が細胞を傷つけ、遺伝子にダメージを与えることで、がんは発症します。

ビタミンCやβカロテンにはこの活性酸素を抑えるはたらきがあるので、しっかり摂取することで、がんを予防できるのです。

■スルフォラファンががんの予防・治療に効果

ブロッコリーにはさらに、スルフォラファンと呼ばれる栄養素が含まれています。同じアブラナ科の菜の花やキャベツなどにも含まれているこの成分には、がんを予防する効果があります。

ブロッコリーについては、一般に食べる花蕾よりもスプラウト(芽)に多く含まれているので、がん予防効果を期待するなら、そちらを食べるのがおすすめです。ちなみに、スプラウトにはβカロテンも豊富で、花蕾の2倍近い量が含まれています。

スルフォラファンについては、がんに対する放射線治療の効果を高めるはたらきがある、という研究報告もあります。スルフォラファンを摂取することで、放射線を照射されたがん細胞が壊れやすくなるのです。

放射線治療は手術、化学療法(抗がん剤の投与)と並ぶがん治療の柱です。ただし、放射線には正常な細胞も傷つけてしまう、という問題があるため、照射量を抑える必要があります。

スルフォラファンを体内に取り入れると、少ない放射線量でがん細胞を破壊できるため、照射による副作用を軽減できる、と期待されています。

■選ぶなら軸太、びっしり、緑が濃いもの 冷凍保存も可

栄養価が高くて美味しいブロッコリーを選ぶコツは主に3つあります。1つ目は軸が太いこと。軸の部分が太いものほど、花蕾にしっかり栄養が届いているためです。

2つ目は花蕾がびっしりと詰まっているもの。触ると硬く、重いと感じるものがよいブロッコリーです。

3つ目は色。緑が濃いものほど新鮮です。花蕾が黄色みを帯びているものは、収穫してから時間がたっているので、味も栄養価もいまいちです。

ブロッコリーは傷むのが早く、買ってきたまま放置していると、すぐに花蕾が黄味を帯びてきます。そうならないよう、すぐに調理して食べるのがベストですが、食べきれない分は小房に切り分けてから冷凍すると、味や栄養価を保ったまま保存できます。

調理する際は火を通しすぎないのがコツです。特にビタミンCは水に溶けやすく、熱にも弱いので、長時間湯がくと、大半が流れ出たり壊れたりしてしまいます。

逆にβカロテンは熱に強く、油と一緒にとることで吸収しやすくなる栄養素です。強火で軽く炒めるなど、ビタミンCやβカロテンをしっかり摂るためには、調理法を工夫するのがおすすめです。

■まとめ

健康を維持したければ、その季節に旬を迎える食材をなるべく食べるべし、と言われます。旬の食材は栄養価も高いので、さまざまな健康効果を期待できるためです。

寒い季節のブロッコリーはまさにそんな「旬に健康を支える食材」の一つと言えます。風邪などの感染症予防はもちろん、心配する人が多いがんについても予防効果があるので、これからの季節は特に、調理法を工夫しながら食卓に登場させたい食材です。

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