コラム

コロナ禍でさまざまな楽しみが制限される中、自宅でお酒をたしなむ人が増えています。国内では、多様なお酒が販売されていますが、健康効果が高いと言われているのがワイン。

脳機能を高めて気分を盛り上げる効果や、アンチエイジング効果もある、とされるワインの作用や楽しみ方を紹介します。

■アルコールの楽しみと美容は両立しない?

「酒は百薬の長」などと言いますが、薬には副作用がつきもの。お酒もその例に漏れず、身体にとって負担になる作用が多々あります。

アルコールに触れると多くの細菌類が死んでしまうことでもわかる通り、お酒には細胞を傷つけるはたらきがあるので、老化を促す嗜好品の一つと言えます。

また、アルコールの分解には体内の水分や肝臓のビタミンAを大量に消費します。水分を失えば、お肌の張りが失われますし、ビタミンAの不足は抗酸化力の低下につながります。

お酒好きの方を少しガッカリさせてしまい申し訳ないのですが、アルコールは基本的に美容にとってマイナスに作用する、と考える必要があります。

■コレステロール値を改善 脳機能もアップ

ただし、そんな中でもアルコール以外の成分が健康や美容につながるなら、「飲んで健康・美容」はあり得ます。そんな都合のいい効果を持つお酒の代表格がワインです。

ワインにはアントシアニンやレスベラトロール、タンニン、カテキンなどのポリフェノールや特殊なペプチド(アミノ酸が結合してできる物質)が豊富に含まれており、これらには人の身体を若々しく保つはたらきがあると言われます。

たとえば、2型糖尿病の人を3つの群に分け、それぞれについて夕食時に赤ワイン、白ワイン、水を飲ませた実験では、ワインを飲んだ群の中性脂肪の現象が確認されました。

また、ワインを飲む人と飲まない人を7年間にわたって追跡した調査では、うつ病の発症率に大きな違いがある、と報告されています。2~7杯/週のワインを飲む群がうつ病を発症するリスクは飲まない群に比べて32%も低かったのです。

うつ病の原因となるストレスは体内で活性酸素の分泌を促し、脳神経細胞の酸化を促進します。ワインに含まれるポリフェノールにはこの酸化を抑える抗酸化作用があるため、摂取がうつの予防につながると考えられます。

■抗酸化作用と整腸作用で老化を予防

ポリフェノールの持つ、強い抗酸化作用はお肌の細胞の酸化防止にも役立ちます。ワイン特有の成分であるレスベラトロールにはかつて、老化を遅らせる長寿遺伝子――サーチュイン遺伝子を活性化するはたらきがある、と言われました。

現在、サーチュイン遺伝子が老化の遅延をもたらすかどうか、については否定する有力な研究が登場し、もともとサーチュイン遺伝子について発表した研究者が間違いを認めるなど、効果を疑う声が高まっています。

レスベラトロールにより健康長寿が期待できる、とまではどうやら言えないようです。ただ、レスベラトロールをはじめ、ワインに含まれるポリフェノールに強い抗酸化作用があることは事実なので、老化の大きな要因と言われる活性酸素を抑えるはたらきが期待できます。

赤ワインに含まれるポリフェノールにはさらに、腸内細菌叢の多様性を促進する作用があることも、ロンドン大学キングスカレッジの研究者らが行った研究により報告されています。

腸内細菌叢が多様であるほど、免疫や代謝といったアンチエイジングに関係する機能が強化されるため、赤ワインには人の身体を若々しく保つはたらきがある、と考えてよさそうです。

■適量を守り○○を一緒に摂取する

健康によい成分をたくさん含むワインですが、アルコールの弊害については意識しておく必要があります。ワインのアルコール度数は一般に10~14度。日本酒よりもやや低い程度です。

アルコールに対する耐性には個人差がありますが、健康に害をおよぼさずに飲める量は1日あたり1~2杯程度とされています。

ワインを飲む際には、おつまみも大切。美味しく飲むためだけでなく、アルコールによりダメージを受ける肝臓を守るためにも、栄養価に優れたおつまみを一緒に食べるのがおすすめです。

たとえば、ワインにはチーズを合わせるのが定番ですが、タンパク質を多く含む食材なので、肝臓の働きをたすける作用があり、理にかなっています。他にも、ビタミンB類とタンパク質を同時にとれる豚肉もワインに合うおつまみです。

アルコールの分解にはナトリウムも必要なので、塩気がやや強い生ハムなどを一緒に食べるのもいいでしょう。

■まとめ

おしゃれなイメージのあるワインですが、この記事で紹介したように、健康効果やアンチエイジング効果にも優れています。これまであまり親しんでこなかった人も、家飲みを楽しむ際のレパートリーに加えてみてはいかがでしょう?

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