コラム

生活習慣の変化が健康に悪影響をもたらすケースは少なくありません。コロナ禍がまだまだ収まらない中、心配されるのが高血圧症の増加です。COVID-19の症状悪化にもつながるだけに、気になる人は日々の対策を見直してみた方がよさそうです。

■加齢で悪化! 75歳以上では2人に1人が高血圧

高血圧とは安静な状態で、収縮期血圧140mmHg以上もしくは拡張期血圧90mmHg以上となる症状を言います。

国内における患者数は非常に多く、厚生労働省が発表した「平成30年国民健康・栄養調査報告」によると、20歳で高血圧症に分類される人の割合は35.6%となっています。

成人の3人に1人が高血圧、というのはかなり心配な数字ですが、血圧には年齢と共に高くなっていく傾向が見られます。60~69歳では42.4%、75歳以上ではなんと50.1%――2人に1人が高血圧という非常に高い割合となっています。

■高血圧の弊害は全身におよぶ

高い血圧は全身の血管に強い負荷をもたらします。動脈硬化など血管の老化が進むため、脳卒中などの脳血管疾患や虚血性心疾患などの心血管疾患を発症する危険性が高くなり、死亡率が上昇します。

国内で行われた多目的コホート調査でも、血圧が高くなるほど、そういった疾患のリスクが上昇することがわかっています。脳卒中を発症した人のうち、男性64%では、女性では50%が高血圧の影響による、と分類されました。

全循環器疾患による死亡者を対象とする検証では、全死亡例のうち男性では38%、女性では36%が高血圧の影響によると認定されています。

その他にも高血圧は糖尿病とも深い関係があり、COVID-19の重症化につながるリスク要因の一つでもあります。慢性的に血圧が高い状態を放置することは非常に危険なのです。

■糖分は高血圧の大きな要因

高血圧につながる要因はいくつもあります。ストレスや高血糖、脂質異常症など、健康状態に影響するさまざまな要素が積み重なって、ジワジワと血圧が上昇していくケースが多いのですが、中でも強く影響するのが「糖分」の過剰な摂取です。

米を主食とする日本人は食事における糖質の割合が高いと言われます。糖質の摂取により上昇した血糖値はさまざまな面で血圧に悪い影響をおよぼします。

たとえば、血糖値が高くなると、浸透圧の関係で血液中の水分量が増え、血液そのものの量も増大することで、血圧が上昇します。また、血糖値の上昇は身体中の血管の糖化につながります。血管内皮細胞が糖化され、しなやかさを失うと血圧が高くなります。

血糖値が高い人は一般的に肥満しやすいという問題もあります。肥大した脂肪細胞からは交感神経を活性化させる物質が大量に分泌されます。交感神経優位になると、血管が収縮するため、やはり血圧が上昇します。

血糖値が高い状況が慢性的に続くと、糖尿病を発症するリスクも増大します。「正常以上糖尿未満」という状態の人が糖尿病を発症するリスクは正常値を保っている人に比べ、最大で20倍も高いと言われます。

糖尿病にはいろいろな合併症がつきものであり、腎臓がダメージを受けるケースは少なくありません。腎臓が傷つくと、血圧上昇ホルモンであるレニンが大量に分泌されるため、血圧がさらに高くなる、という悪循環に陥ってしまうことがよくあります。

■血糖値を抑制して血管を若々しく保つために

血糖値を抑えるためにもっとも有効なのは食事のコントロールです。ご飯や麺類などの炭水化物、お菓子類などの糖分を減らすことで、血糖値をコントロールできます。

脂質異常にはある程度、遺伝的な要因があり、食事制限だけでは改善できないケースが少なくありませんが、血糖値についてはⅠ型糖尿病の人以外では、食事の内容と量がダイレクトに影響します。つまり、摂取する糖質の量を減らせば、血糖値の上昇を抑えることができるのです。

血糖値のコントロールにはその他にも運動が大きな役割を占めます。適切な運動を習慣にすることで、肥満を予防し、インスリンに対する抵抗性を抑えられるためです。人は通常、すい臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンによって血糖値の上昇を抑制しています。

ところが、肥満等によりインスリンの抵抗性が増すと、血糖値をコントロールしにくくなります。日々、身体を動かすことで、インスリンのはたらきを維持し、血糖値をコントロールできるようになるのです。

■水素吸入で高血圧を抑制できる可能性も

糖質の制限や運動は高血圧を抑える有効な方法ですが、水素の吸引にも血圧の上昇を抑制する可能性があります。直接的に影響が期待できるのは血管内皮細胞への効果でしょう。血管のしなやかさを増し、血管の老化を防ぐはたらきがあるため、高血圧を予防できるのです。

さらに水素には細胞の酸化と糖化を抑えるはたらきがあることもわかっています。人の細胞を傷つける要素には主に酸化と糖化があります。酸化というのは体内で発生した活性酸素によって細胞がダメージを受ける現象。糖化というのは細胞を構成するタンパク質に糖が結びつくことで細胞が劣化する現象です。

いずれも、血管を含む体内の細胞が劣化する大きな要因であり、加齢とともに進行します。年齢と共に高血圧症の人が増えるのはそのためです。

水素を吸入することで、酸化・糖化ともに抑えることができます。血管内皮細胞についてもダメージを減らすことができるので、高血圧を予防できるのです。

■まとめ

血圧が高めでも、ほとんどの人は苦痛を感じません。ですから、ついつい見逃されがちですが、高血圧による弊害は体内でジワジワと進行し、最終的には循環器疾患を含むさまざまな疾病を引き起こします。

命に関わる病気をもたらすことも少なくないので、健康を守るためには日常から血圧を測定して、コントロールを意識することが大切です。

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